あなたが知らない
すぐそこにある貧困の物語
いちいち「どうしてできないの?」って責められました。自分が全否定されたみたいな感覚でした。苦しかった。
第1章 人生にピリオドを打ちたい
p.54 預金ゼロではじめた東京での学生生活
家族に愛情がないから、娘もそうなのかもしれない。たったひとりの孤独が受け継がれていくみたいな。
第3章 明日、一緒に死のう。死ぬから……
p.167 娘と別れてから14年が経った
低賃金なので蓄えはないし、年齢ばかり重ねて、私はいったいどうなってしまうのだろうって。
第4章 あと1年半しか仕事ができない
p.191 図書館司書の8割以上は非正規職員
だから、障害のある親が子どもを育てると、苦しめられることばかり。私は全介助みたいな障害者だけど、子どもと暮らしたい、親として生きたいのです。
第6章 子どもの未来が消えていく
p.314 排除しないでほしい
彼女たちの声はきっと届く、
そう信じて……
中村淳彦さんの担当編集者として、3年にわたって貧困女子の取材に同行してきました。インタビュー時間は長いときには3時間を超えることもあります。彼女たちの話を聞いたあとは、ぐったりしてしまうことが多く、帰りの電車を待つホームでは、ため息しか出ません。中村さんがすごいのは、つい涙してしまったり、言葉を荒げてしまう私とは違い、常に淡々とした姿勢を崩さないところです。でも、まっすぐ帰る気分になれないのはきっと同じ——。「一杯飲んで帰ろうか」と、どちらからともなく言い出して、新宿や池袋で途中下車する私たちでした。
東洋経済オンライン編集部
「貧困に喘ぐ女性の現実」連載担当
高部 知子