鈴木貫太郎(関宿)、東條英機(盛岡)、石原莞爾(庄内)、米内光政(盛岡)、山本五十六(長岡)、井上成美(仙台)、今村均(仙台)など、幕末維新で“賊軍”とされた藩の出身者たちの苦闘を通して「もう一つの昭和史」を浮かび上がらせた異色の対談。
奥羽越列藩同盟など、幕府方につき新政府軍(官軍)に抵抗した藩は、維新後「賊軍」としてさまざまな差別を受けた。その藩士の子息たちは、陸軍、海軍で薩長閥によって非主流派に追いやられ、辛酸をなめることになる。やがて昭和に入り、日独伊三国同盟に反対した海軍の米内、山本、井上の賊軍トリオは、主流派である薩長閥に抗しきれず開戦を迎える。そして、”官軍”が始めた無謀な戦争により滅亡の瀬戸際に追い込まれた日本を救ったのは、鈴木貫太郎、米内光政ら賊軍出身者だった――。
新視点から昭和の戦争の真相を読み解き、いまに続く“官軍”的なるものの正体を明らかにする。