週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌。

担当記者より
2020年3月28日号
2020年3月23日 発売
定価 730円(税込)
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【特集】羽田空港クライシス

コロナ危機により世界中のエアラインは、運休・欠航が続出する異常事態になっています。そうした中でも、羽田空港は国際線を増便し、低空で都心部を飛ぶ「新ルート」の運用を開始します。安全面に問題はないのでしょうか。「日本の空」が直面する課題を多面的に検証します。
 

【巻頭リポート】世界揺るがす地雷原 コロナ経済危機の5大論点


欧米で新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界経済はマヒ状態に陥る寸前です。米国の信用不安、原油価格急落に欧州医療危機……。世界はどんな地雷を踏みかねないのか、5つの論点で識者に見立てを聞きました。

担当記者より

羽田空港の国際線が大増便され、五輪を控えた東京の空が変わる――。2月初旬、この特集の取材を始めた時点では、少なからずこんなポジティブなイメージがまだ残っていました。国際線ターミナルが「第3ターミナル」となって京急線や東京モノレールの駅名も変わる当日の朝は、スーツケースを提げた多くの旅行客が右往左往しているに違いない、そんな混乱する現場の写真も撮れたらいいな、と想像を膨らませていた私。ところがその後、新型コロナウイルスの感染拡大とともに日に日に状況は変化し、東京の空の玄関は、わずか1カ月前には想像もしていなかった事態に陥っていくのでした。

3月6日、カメラマンとともに羽田空港を訪れました。閑散とした空港ビルには、どことなくピリピリとした緊張感が漂っていました。電光掲示板には見事なまでに「欠航」の文字が並び、国際線の到着ロビーで待っていても人はなかなか出てきません。チェックインカウンターで作業する航空会社のスタッフも、時折通り過ぎる客室乗務員もみなマスク姿。その異様な光景を写した1枚は、今回の特集の扉ページに使っています。

3月13日の深夜には、駅名看板の付け替えを行う現場の写真を撮りに再び羽田空港へ向かいました。翌3月14日の朝、相変わらず人影まばらな空港に、私が狙っていた「混乱する旅行客」の姿はまったく見当たりませんでした。

ただ目についたのは、駅名変更の朝をここぞとばかりに写真に収めようと集まった鉄道ファンの姿。京急線の「駅名変更 記念乗車券」は売れ行き好調だったとのこと。閑散とした空港の中で、彼らのたくましさを感じてなんだか安心しました。

担当記者:橋村 季真(はしむら きしん)
東洋経済記者。三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

特集
羽田空港クライシス
[図解]新型コロナが直撃

Part1 膨張する羽田
低空飛行に募る不安
[図解]どこを飛ぶ? 都心低空飛行
ビジネスジェットを阻む「後進国」日本の特殊事情
旅行客まばらな寂しい船出 羽田空港ターミナル大変身
感染拡大で検疫官が疲弊 空港「水際対策」に懸念あり

Part2 激変する空港
進む空港跡地の再開発
新飛行ルート直下の街 不動産価格はどうなる?
先行するJR、追う東急 羽田空港アクセス線の行方
羽田・成田で“顔パス”搭乗 世界で広がるスマート空港
羽田国際線増枠で一大転機 成田空港はどこへ向かう?
「成田空港に足りないのは『色気』だ」 成田国際空港社長 田村明比古

Part3 剣が峰の航空
儲けのカラクリに異変
新型コロナで利用者が激減 アジアの航空会社は大ピンチ
貯まったマイルを使わせたい 航空会社のおトクメニュー
出口が見えない飲酒不祥事 羽田増便で再発の懸念も

巻頭リポート
コロナ経済危機の5大論点 世界揺るがす地雷原
「4~6月が正念場になる。即効性のある補正が必要だ」 自民党政調会長 岸田文雄

スペシャルリポート
ヤマダと組んで赤字脱出なるか 崖っぷち大塚家具“最後”の闘い

ニュース最前線
日銀が異例の政策決定 コロナ不安に透ける限界
トヨタ「ベアゼロ」の衝撃 本格化する賃金制度改革
サウジがまさかの増産 原油相場は長期低迷必至


連載
経済を見る眼|根拠を欠く人口政策、見直しが急務だ|小峰隆夫
ニュースの核心|習近平は新型コロナに勝ったのか|西村豪太
『会社四季報』ルーキー登場|トゥエンティーフォーセブン
トップに直撃|多数国間投資保証機関(MIGA)長官 俣野 弘
フォーカス政治|新型コロナ危機が映し出す安倍首相の「裸の実力」|塩田 潮
グローバルアイ|コロナ危機が暴く「政治の劣化」サンダースの危険な社会主義
INSIDE USA|「反トランプ」で民主党回帰 迷走するネオコンの狼狽|会田弘継
中国動態|情報統制の裏で迅速対応も 新型肺炎で中国が二重基準|小原凡司
マネー潮流|金利がなくなった後の世界|佐々木 融
少数異見|頭の体操、「武漢ウイルス」の結末予想
知の技法 出世の作法|プーチン氏がちらつかせる「大統領5選」の可能性|佐藤 優
経済学者が読み解く 現代社会のリアル|禁止されるとしたくなる 「リアクタンス」の経済学|熊代和樹
人が集まる街 逃げる街|甲府市(山梨県) 東京からの近さを強みにできるか|牧野知弘
クラシック音楽最新事情|ベートーヴェン一色! ラ・フォル・ジュルネ東京|田中 泰
「英語雑談力」入門|take an unexpected turn(思わぬ・予期しない方向に展開する)|柴田真一
話題の本|『漢語の謎』著者 荒川清秀氏に聞く ほか
ゴルフざんまい|飛ばすゴルフより楽しむゴルフへ|三田村昌鳳
経済クロスワード|羽田空港
編集部から|
読者の手紙 次号予告|

訂正情報

「週刊東洋経済2020年3月28日号」(3月23日発売)に、以下の間違いがありました。訂正してお詫び致します。
 
37ページ ■大塚家具の記事

【誤】結果的に株式の公開買い付けは12月末に1株145円で実施
【正】結果的に第三者割当増資を12月末に1株145円で実施