週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2026年4月11日号
2026年4月6日 発売
定価 950円(税込)
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【特集】トヨタの挑戦


自動車業界はハードからソフトへ価値が移る「SDV(ソフトウェア定義車両)」が注目され、トヨタ自動車はSDVを軸にした事業変革を進めています。実際、アメリカでのEV減速や中国勢の猛攻に対し、ソフトウェア基盤「アリーン」の実装を開始しました。中国技術への依存リスクやサプライチェーン淘汰の危機が迫る中、過去の成功体験を捨て、ソフトを軸とした新たな収益モデルをどう築くのか? ホンダやBYDなどの動きと併せ、次世代覇権をめぐる闘いの最前線を描きます。
 
 

担当記者より

特集「沸騰!ソフトウェア革命 トヨタの挑戦」を担当した横山隼也です。

「SDVと聞いても一般の人は何を言っているのかわからない」。ある自動車メーカーの幹部から聞いた一言がこの特集の原点です。100年に1度の変革期と言われる自動車業界。EVシフトだけでなく、今は自動運転やソフトウェアが競争軸に加わっています。そしてその中で世界市場で爆発的に拡大すると言われているのが、ソフトウェアが車の価値を定義する「Software Defined Vehicle(ソフトウェア定義車両、SDV)」です。

SDVは簡単に言えば”車のスマホ化”。ソフトウェアアップデートが可能になり、購入後も保有する車の価値が上がり続ける、というのが今盛んに言われているのです。ではSDVで車の何が変わって、新たなビジネスが生まれるのか、ビジネス構造が変わるのか、そして自動車メーカーの今後はどうなるのか、というのをわかりやすくまとめて伝えたいというのが特集の狙いです。

このSDV化の流れの中、中国勢をはじめとする新興勢力が日本車の得意な市場に攻め込み始めています。アメリカのテスラはロボットタクシーやヒューマノイドロボットに進出し、事業転換へ動き出しました。SDVの競争軸は、高度なAIや高性能な半導体をいかに取り込めるか。既存の自動車メーカーの「新車売り切り」ビジネスからいかに脱却できるかに移りつつあります。

そして、世界一のトヨタ自動車も主力車種「RAV4」のフルモデルチェンジとともに、SDV参入の一歩を踏み出しました。

はたしてトヨタを筆頭に日本勢は生き残れるのか。ぜひ、ご覧ください。

担当記者:横山 隼也(よこやま じゅんや)
報道部で、トヨタ自動車やホンダなど自動車業界を担当。地方紙などを経て、2020年9月に東洋経済新報社入社。好きなものは、サッカー、サウナ、ビール(大手もクラフトも)。1991年生まれ。

 

目次

第1特集
沸騰! 自動車ソフトウェア革命
トヨタの挑戦

業界で広がる地殻変動の波 車の価値はソフトウェアに
4つの図で解き明かす そもそもSDVとは何か
トヨタ 安全で稼げるSDV戦略の本質 「交通事故ゼロ」を価値に
トヨタ グループ38万人の「タグボート」 肝煎りウーブン社が担う役割
テスラ EVからAIへシフト? マスク氏とテスラの現在地
ホンダ 車載OSの独自開発を進めるが… 次世代EV中止で漂う暗雲
[インタビュー] ホンダ SDV事業開発統括部・執行職 四竈真人
中国勢 価格競争から付加価値競争へ 地場メーカーが躍進 過熱する知能化競争
[インタビュー] 有識者に聞く 日系のSDVに未来はあるか?
 「中国勢のノウハウをすぐに取り込め」ナカニシ自動車産業リサーチ 代表アナリスト 中西孝樹
 「生き残りの道は保有台数ビジネス」伊藤忠総研 エグゼクティブ・フェロー 深尾三四郎
中国供給網拡大で崩壊危機 日系部品各社は生き残れるか
価格高騰、保有長期化など逆風強まる 新車に頼れない販社の苦悩
自動車各社が右往左往 ソフトウェア人材が採れない!

第2特集
携帯キャリア競争の新局面
王者ドコモが「想定を超える大苦戦」に陥った真因
楽天モバイル 「参入5年で1000万契約」の光と影

産業リポート
急拡大する美容医療グループ 「湘南美容」異色の経営
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 SBCメディカルグループホールディングスCEO 相川佳之

スペシャルインタビュー
躍進「チームみらい」の戦略を聞く AIの徹底活用で生産性を10倍に
チームみらい党首 安野貴博

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連載
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|トップに直撃|キリンホールディングス 社長 南方健志
|フォーカス政治|国会審議の空洞化が露呈、急務の改革|飯尾 潤
|マネー潮流|イラン危機で日本銀行の様子見続く|木内登英
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|Inside USA|イラン攻撃が揺さぶる共和党「後継」の構図|会田弘継
|少数異見|アライアンスを組み直そう
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|ビジネスと人生は絶望に満ちている|仕事を手がけ、手腕をふるい、じっと手を見る| 頭木弘樹
|西野智彦の金融秘録|バブルの終わり⑤
|21世紀の証言|クレディセゾン会長CEO 林野 宏 その②
|編集部から|
|次号予告|

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