週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2026年5月2日・9日合併号
2026年4月27日 発売
定価 950円(税込)
JAN:4912201320565

【特集】すごい中堅企業100


「中堅企業」カテゴリーの創設から約1年半が経過し、政府の支援策も本格的に動き出しました。AIの進化や人手不足、インフレといった構造変化の中で、中堅企業は日本経済の牽引役として存在感を高めています。本特集では、編集部が厳選した「すごい中堅企業」100社を紹介するとともに、注目企業の戦略や競争力の源泉を徹底解説します。売上高増加率や1人当たり売上高、純利益率などのランキングで、伸び盛りの中堅企業もリストアップしています。
 

担当記者より

特集「すごい中堅企業100 2026年版」を担当した木皮透庸です。

国内の設備投資や賃上げを牽引する存在として、「中堅企業」が存在感を高めています。中堅企業とは、単体の従業員が2000人以下で中小企業を除く企業を指します。本特集では、日本に約9000社あるとされるその実像を立体的に描きました。独自の技術やビジネスモデルなどで秀でる100社を選定し、うち15社は個別取材で「すごさ」に迫っています。

取材で見えてきたのは、各社が置かれた環境の中で独自の戦い方を磨き込んでいることです。北海道が地盤のコンビニ「セイコーマート」を展開するセコマは、店舗間距離が長く物流のハードルが高い地域特性を逆手に取り、自前の物流網や約900品目に及ぶPB(プライベートブランド)で独自の運営体制を構築。創意工夫によって収益性を高めています。

一方、電気計測器メーカーのHIOKI(長野県)は顧客ニーズに徹底的に寄り添った製品開発で高い収益力を実現し、平均年収1000万円超を達成。長野県の上場企業の中でもトップ水準です。湖北工業(滋賀県)はアルミ電解コンデンサ用リード端子や海底ケーブル用光部品といったニッチ分野で高い世界シェアを握り、営業利益率26%という高収益を確保しています。両社に共通するのは、強みを起点に付加価値を積み上げる経営です。

海外に打って出る企業も目立ちます。太陽工業(大阪市)は「東京ドーム」に代表される膜構造物で世界トップクラスのシェアを誇り、世界7大陸に事業を広げています。純米大吟醸に特化する山口県の日本酒メーカー「獺祭」は、アメリカ・ニューヨークに蔵を設け「DASSAI BLUE」を展開。足元の売上高200億円規模から将来の1000億円を見据え、海外展開を加速中です。

さらに本特集では、中堅企業を支えるエコシステムとして、広島銀行や八十二長野銀行といった地域金融機関による伴走支援に加え、コンサルティング会社の取り組みを俯瞰しました。売上高増加率や1人当たり売上高、売上高純利益率、初任給といったランキングも交え、中堅企業の「群」としての実力も可視化しています。産官学のキーパーソンによるインタビューも読み応え十分です。

中堅企業はもはや中小企業と大企業の中間ではなく、日本経済の成長エンジンそのものです。超高圧水切断など独自技術を持つスギノマシンの杉野岳社長は、「短期的な効率より長期の価値創出を」と語ります。本特集で描いた企業群に共通するのも、まさにその姿勢です。その強さの源泉を、ぜひご覧ください。

担当記者:木皮透庸(きがわ・ゆきのぶ)
1980年茨城県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。NHKなどを経て、2014年東洋経済新報社に入社。自動車、物流業界の担当を経て、2022年から東洋経済編集部でニュース取材や特集制作を担当。2024年7月より週刊東洋経済副編集長。

 

週刊東洋経済とは

週刊東洋経済

『週刊東洋経済』は、変化する世の中を確かな視点で解明する総合ビジネス週刊誌です。

創刊は1895年(明治28年)、日本国内で最も歴史のある週刊雑誌でもあります。企業戦略から主要業界事情、国内外の政治経済はもちろん、近年はビジネス実用、テクノロジー、社会問題まで、経済の複雑化やビジネスパーソンの関心の広がりに対応し、幅広いテーマを取り上げています。

一方で創刊以来、一貫しているのはセンセーショナリズム(扇情主義)を排除し、ファクトにこだわる編集方針を堅持することです。「意思決定のための必読誌」を掲げ、今読むべき特集やレポートを満載し、価値ある情報を毎週発信しています。

週刊東洋経済の編集方針

  1. 取材力
    当社に所属する約100人の経済専門記者が主要業界、全上場企業をカバー。国内外の経済や業界、企業などを深堀りし、他には読めない記事を提供。
  2. 分析力
    複雑な情報やビジネス慣習、制度変化などを分析し、的確に整理。表層的事象をなぞるのではなく、経済や社会の底流で起きている構造を読み解く
  3. 中立性
    企業や業界側の立場や事情に追従することなく、本誌記者は取材対象を客観的立場で分析・評価し、ときには忖度なく切り込む。

3つのポイント

視野が広がる幅広いテーマ
「健全なる経済社会を先導する」という創刊理念のもと、企業戦略やマクロ経済だけでなく、社会問題や海外情勢など幅広いテーマで特集を組み、中立的な立場で情報発信をしています。

図解や表でわかりやすく
ビジネス誌の中で随一の規模を誇る約100人の記者集団が、「経済から社会を読み解く」スタンスで徹底取材。旬な情報を図解や表にまとめて、わかりやすく解説します。

『会社四季報』の独自データで深掘り
約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。

目次

特集
すごい中堅企業100 2026年版

PART1
国内経済の牽引役

中堅企業こそ 日本経済の成長エンジンだ
 [インタビュー]
「海外挑戦で外貨獲得。中核企業群を厚くする」 青森みちのく銀行 頭取 石川啓太郎
「中堅が日本経済の主役、規模より付加価値狙え」 日本共創プラットフォーム 会長 冨山和彦

PART2
注目企業

獺祭(山口・未上場) あえて希少価値を諦め、質も量も追求 山口から目指す「世界のDASSAI」
 [インタビュー] 「風穴を開けない限り、 世界の市場を広げられない」 獺祭 社長 桜井一宏
オリオンビール(沖縄・上場) 沖縄県内のビール販売シェア8割超 循環成長型モデルで世界市場に挑む
サンリオ(東京・上場) 「投げ売り」脱却で驚異的な業績成長 IPのライセンス収入は5年で6倍に
オカムラ食品工業(青森・上場) サーモン海上養殖で国内トップクラス 海外の魚食ブーム追い風に生産3倍へ
 [インタビュー] 「サーモン需要は拡大続く 原料確保こそ成長の前提だ」 オカムラ食品工業 社長 岡村恒一
セコマ(北海道・未上場) 北海道でセブン上回るコンビニ1100店 PB・店内調理・自社物流網の独自路線
 [インタビュー] 「値上げは正直に伝える。 東京進出も上場もしない」 セコマ 社長 赤尾洋昭
三省堂書店(東京・未上場) 出版不況にあらがう1881年創業の老舗 神保町本店建て替えリニューアルで攻勢
[コラム] CSRの「人材活用」分野でも中堅が存在感 先進企業IDECとKIMOTOの戦略
大阪ソーダ(大阪・上場) 医薬品精製用シリカゲルで圧倒的シェア 糖尿病・肥満薬向け需要急増、株価5倍
太陽工業(大阪・未上場) テント構造物で世界シェアトップクラス 東京ドーム「生みの親」が進める宇宙戦略
HIOKI(長野・上場) 顧客起点で価値創る電気計測器メーカー 県内随一の“平均年収1000万円超”
湖北工業(滋賀・上場) 海底ケーブル部品で世界シェア50%超 AI市場を開拓、「第3の柱」育成も
西部技研(福岡・上場) 「空気制御」で世界の産業を支える ハニカム技術のグローバルニッチトップ
フジミインコーポレーテッド(愛知・上場) 半導体ウェハー研磨材の世界シェア9割 AI需要が追い風、日台米で巨額投資
コアコンセプト・テクノロジー(東京・上場) 独自開発基盤で顧客のDX内製化を支援  製造業から建設・物流に展開し最高益
共栄社(愛知・未上場) 人手不足で変わるゴルフ場の芝刈り現場 無人化で攻勢、海外売り上げ 割に到達
内海造船(広島・上場) 国策をバネに株価2倍、自衛隊輸送艦も 中国・韓国勢にはオーダーメイドで対抗
[コラム] ファミリー企業 ガバナンスの要諦 オタフク「家族憲章」に学ぶ内紛の防ぎ方

すごい中堅企業85社リスト

PART3
さらなる飛躍へ 課題と勝ち筋

[インタビュー] キーパーソン3名に聞く 産・学・官が語る中堅企業の「成長戦略」
 経済産業事務次官 藤木俊光/ 早稲田大学商学部教授 山野井順一/ スギノマシン 社長 杉野 岳
地域企業の成長を加速できるか 補助金申請で群を抜く 広島銀行の独自戦略
タナベ、船井、山田... 沸き立つコンサル 中堅支援の実態

伸び盛り中堅企業ランキング200

緊急リポート
ホルムズ危機 中東情勢が世界を翻弄する
[インタビュー] 「エネルギーに限らない『アジアの危機』だ」 日本エネルギー経済研究所 理事長 寺澤達也
日本経済の急所ナフサ 中東依存、備蓄なし 供給不安が不足招く
ナフサショックの実相 広がる値上げ、止まる工事 東南アジア依存の透析回路

NEWS & TOPICS 最前線
ホンダ、中国生産網にメス 次の焦点は合弁契約の行方
第一三共の市販薬事業 サントリーに売却の深層
日立は70歳まで報酬維持 定年後再雇用の狙いと実態


連載
|経済を見る眼|スポットワークは悪者か無業者の味方か|太田聰一
|トップに直撃|マブチモーター 社長 高橋徹
|フォーカス政治|「審議委員総リフレ派化」は可能か|軽部謙介
|マネー潮流|日銀利上げと日本株上昇の両立続く|阿部健児
|中国動態|イラン戦争の先に備える習近平政権|益尾知佐子
|Inside USA|対米投資5500億ドル、トランプ流配分の歪み|瀧口範子
|少数異見|「民主主義をどう守るか」台湾から学べること
|新約ソニー|第2章 恐れるな。ただ信ぜよ|大西康之
|ヤバい会社烈伝|イシイのミートボール あるものだけで作る! 事業転換、祖母の知恵|金田信一郎
|知の技法出世の作法|金正恩・ルカシェンコ会談は歴史的転換点になりうる(上)|佐藤優
|話題の本|『経済学を手がかりに、都市と地方を論じてみよう』の著者佐藤泰裕氏に聞く ほか
|名著は知っている|『遺伝と平等』[下編]|渡部沙織
|ビジネスと人生は絶望に満ちている|700年前からくり返されてきたうっかりミス|頭木弘樹
|ゴルフざんまい|日米で大きく異なる ツアー生活の思い出|小林浩美
|西野智彦の金融秘録|石油危機のデジャビュ①
|21世紀の証言|ライフネット生命保険創業者 出口治明 その①
|編集部から|
|次号予告|

今後の発売スケジュール

  • 5/25(月) 週刊東洋経済 2026年5月30日・6月6日合併号

訂正情報

「週刊東洋経済2026年5月2日・9日合併号」(4月27日発売)に、以下の誤りがありました。訂正してお詫び致します。
 
77ページと78ページ ■伸び盛り中堅企業ランキング200
売上高増加率ランキングにおいて、注記に「東京都と大阪府の企業を除外」を追記します。
売上高純利益率ランキングにおいて、注記に「東京都と大阪府の企業を除外」を追記します。