特集「エアライン 新局面」を担当した劉彦甫です。
私は台湾の政治経済や米中関係など国際情勢をウォッチしていることもあり、飛行機に乗る機会が多いです。コロナ禍で台湾に帰省する際には、乗客が私一人なのに対してCAが3人もつくという異常事態を経験し、どれだけ航空業界が厳しい状況に追い込まれていたか、乗客の一人として経験しました。それが、今や航空業界は息を吹き返し、増大する航空需要を取り込もうと世界で競争が激化しています。
先日、夜9時すぎに台湾の桃園国際空港に到着する成田発の航空便に乗った際に、周囲は日本・台湾人客が半数ほどいたものの、もう半分は欧米人の客で占められていました。なぜだろうと疑問を覚えましたが、台湾に到着して一気に解決しました。23時以降に桃園を出発する欧米行きの便への乗り継ぎ客だったのです。欧米から台湾経由で日本や東南アジアなどに向かう旅客を台湾の航空業界が積極的に取り込もうとしている姿勢を実感した瞬間でした。
今回の特集ではANAとJALという日本を代表する2大航空会社とその両社をとりまく事業環境として、成田空港などのインフラも取り上げています。両社とも成長戦略を掲げ、その柱として国際線旅客を挙げており、日本経由のアジアと欧米の乗り継ぎ旅客もターゲットとしています。ただ、国際旅客の取り込み競争において、両社や成田など日本の空港は韓国や香港、台湾など近隣の航空業界に勝つことはできるのか。実際に国際線をよく利用する旅客の一人としては、上記の経験のように不安を覚えるところもあります。
日本の航空業界がコロナ後に迎えた新たな成長フェーズで、どこまで事業を伸ばしていけるのか。本特集の内容から期待と課題を感じ取っていただけたら幸いです。
担当記者:劉 彦甫(りゅう いぇんふ)
台湾台北市生まれの客家系。長崎県立佐世保南高校、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了、修士(ジャーナリズム)。専攻はアジア国際政治経済、東アジアジャーナリズム。現在は電機大手や電子部品、精密機械、医療機器、宇宙業界を担当。台湾や香港を中心に東アジアの動きも追いかける。趣味はピアノや旅行。

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