特集「銀行動乱」を担当した田島靖久です。銀行ビジネスを正面から取り上げた特集を担当するのは約1年半ぶりのことですが、びっくり仰天、驚くことの連続でした。政策金利が1%台まで上昇したことにより、銀行ビジネスが180度転換していたのです。
金利上昇を追い風に最高益を記録する銀行が相次いでいたのは知っていました。しかし、企業の資金ニーズの高まりや個人向け国債への資金流出の影響でバランスシートに歪みが生じ、銀行から「預金が足りない!」との声が上がっていたのです。
以前、銀行をメインに担当していた7年間は、いわゆる不良債権時代で、銀行自身が存続の危機に瀕していました。それが、まさかこれほどまでの好業績になる時代がくるなんて思ってもいませんでしたし、預金流出の危機で資金調達の多角化が話題になるなんて。
振り返れば担当していたのは30代半ばの頃のこと。今や55歳ですから、銀行ビジネスが変化するに十分な年月だったのかもしれません。
しかし、業績がいいからといって単純に喜べないのが銀行という業種の特徴。そこで今回の特集では、好業績の裏でくすぶり始めている「火種」を取り上げました。前述した預金流出の危機をはじめ、不動産融資や海外戦略、そしてAIに至るまで、5つの火種がありました。そのいずれもが根深い問題で、難しい舵取りを迫られそうです。
また特集では恒例の銀行実力ランキングも掲載。今回は収益力に重きを置いたランキングにしました。併せてご覧いただければ幸いです。
担当記者:田島 靖久(たじま やすひさ)
週刊東洋経済編集部副編集長。大学卒業後、放送局に入社。記者として事件・事故を担当後、出版社に入社。経済誌で流通、商社、銀行、不動産などを担当する傍ら特集制作に携わる。2020年11月に東洋経済新報社に入社し現職。

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