週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2026年8月1日・8月8日合併号
2026年7月27日 発売
定価 950円(税込)
JAN:4912201320862

【第1特集】銀行動乱

約30年ぶりに政策金利が1%台に上昇したことで、銀行は復活を遂げました。しかし、喜んでばかりもいられません。すでに新たな危機があちらこちらでくすぶり始めています。伸びが鈍化する預金、金利上昇や不動産融資急膨張下の戦略、海外展開の不透明感、AI対応といった「5つのリスクの火種」を取り上げ、その最前線をリポートします。メガバンクから地方銀行まで、全102行の収益力と健全性、運用力を基に判定した2026年版の「銀行実力ランキング」も収録しています。
 

【第2特集】Jビューティー産業の勝ち筋

美容関連産業を「Jビューティー」とブランディングして日本の成長戦略に据える動きが急加速しつつある。勝ち筋はいかに。
 

【産業リポート】シチズン 世界を狙う時計戦略

スイス勢の値上げで生じた空白地帯を「マルチブランド戦略」で攻める。
 

【スペシャルインタビュー】
受信料収入下げ止まりに全力を挙げて取り組む
NHK(日本放送協会)会長 井上樹彦


18年ぶりの生え抜きトップに就任。受信料収入減やネット配信浸透など、環境激変にどう向き合うか。
 

担当記者より

特集「銀行動乱」を担当した田島靖久です。銀行ビジネスを正面から取り上げた特集を担当するのは約1年半ぶりのことですが、びっくり仰天、驚くことの連続でした。政策金利が1%台まで上昇したことにより、銀行ビジネスが180度転換していたのです。

金利上昇を追い風に最高益を記録する銀行が相次いでいたのは知っていました。しかし、企業の資金ニーズの高まりや個人向け国債への資金流出の影響でバランスシートに歪みが生じ、銀行から「預金が足りない!」との声が上がっていたのです。
 
以前、銀行をメインに担当していた7年間は、いわゆる不良債権時代で、銀行自身が存続の危機に瀕していました。それが、まさかこれほどまでの好業績になる時代がくるなんて思ってもいませんでしたし、預金流出の危機で資金調達の多角化が話題になるなんて。  

振り返れば担当していたのは30代半ばの頃のこと。今や55歳ですから、銀行ビジネスが変化するに十分な年月だったのかもしれません。

しかし、業績がいいからといって単純に喜べないのが銀行という業種の特徴。そこで今回の特集では、好業績の裏でくすぶり始めている「火種」を取り上げました。前述した預金流出の危機をはじめ、不動産融資や海外戦略、そしてAIに至るまで、5つの火種がありました。そのいずれもが根深い問題で、難しい舵取りを迫られそうです。

また特集では恒例の銀行実力ランキングも掲載。今回は収益力に重きを置いたランキングにしました。併せてご覧いただければ幸いです。

担当記者:田島 靖久(たじま やすひさ)
週刊東洋経済編集部副編集長。大学卒業後、放送局に入社。記者として事件・事故を担当後、出版社に入社。経済誌で流通、商社、銀行、不動産などを担当する傍ら特集制作に携わる。2020年11月に東洋経済新報社に入社し現職。

 

週刊東洋経済とは

週刊東洋経済

『週刊東洋経済』は、変化する世の中を確かな視点で解明する総合ビジネス週刊誌です。

創刊は1895年(明治28年)、日本国内で最も歴史のある週刊雑誌でもあります。企業戦略から主要業界事情、国内外の政治経済はもちろん、近年はビジネス実用、テクノロジー、社会問題まで、経済の複雑化やビジネスパーソンの関心の広がりに対応し、幅広いテーマを取り上げています。

一方で創刊以来、一貫しているのはセンセーショナリズム(扇情主義)を排除し、ファクトにこだわる編集方針を堅持することです。「意思決定のための必読誌」を掲げ、今読むべき特集やレポートを満載し、価値ある情報を毎週発信しています。

週刊東洋経済の編集方針

  1. 取材力
    当社に所属する約100人の経済専門記者が主要業界、全上場企業をカバー。国内外の経済や業界、企業などを深堀りし、他には読めない記事を提供。
  2. 分析力
    複雑な情報やビジネス慣習、制度変化などを分析し、的確に整理。表層的事象をなぞるのではなく、経済や社会の底流で起きている構造を読み解く
  3. 中立性
    企業や業界側の立場や事情に追従することなく、本誌記者は取材対象を客観的立場で分析・評価し、ときには忖度なく切り込む。

3つのポイント

視野が広がる幅広いテーマ
「健全なる経済社会を先導する」という創刊理念のもと、企業戦略やマクロ経済だけでなく、社会問題や海外情勢など幅広いテーマで特集を組み、中立的な立場で情報発信をしています。

図解や表でわかりやすく
ビジネス誌の中で随一の規模を誇る約100人の記者集団が、「経済から社会を読み解く」スタンスで徹底取材。旬な情報を図解や表にまとめて、わかりやすく解説します。

『会社四季報』の独自データで深掘り
約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。

目次

第1特集
銀行動乱
熱狂の裏でくすぶる5つの火種
金利上昇で59行が最高益を記録! 活況でも募る銀行の危機感

〈火種1〉預金
銀行預金が大流出の危機に 真の敵は「個人向け国債」
国債運用に走るマンション管理組合
国際基準を満たすべく調達多様化に走る銀行の現場

〈火種2〉戦略
快進撃のネット銀行に暗雲 「日銀借入金」の呪縛
金融庁・日銀が相次ぎ警鐘! 不動産融資急膨張のリスク

〈火種3〉海外
北米・インドで出資ラッシュ 視界不良の「アジア収益」

〈火種4〉AI
巨額負担におびえる地銀 ミュトス登場の衝撃
勝者なき過当競争に突き進む 中小企業向けAI戦争勃発
日立の撤退で幕が上がった 地銀システム大混戦

[トップインタビュー] 舵取りトップはどう考える
目指すは「世界のトップ5」 三菱UFJフィナンシャル・グループ 社長 半沢淳一
アジアは収益化フェーズに 三井住友フィナンシャル・グループ 社長 中島 達
得意領域外には手を出さない みずほフィナンシャル・グループ 社長 木原正裕

〈火種5〉再編
規模拡大を目指し統合ラッシュ 加速する「地銀再編」大予想
機が熟すスルガ銀行買収 クレディセゾンは虎視眈々
「踏み絵」を突きつけられた SBI地銀連合の行方
金利上昇時代に勝ち残るのは? 銀行実力ランキング

第2特集
国策に急浮上 雇用980万人
Jビューティー産業の勝ち筋
厳しすぎる業界規制を緩和へ  「伸びしろは和牛並み、ものすごい係数になる」 総務相 林芳正
Jビューティー国策急浮上の舞台裏 コンテンツ産業に匹敵、雇用では凌駕
[インタビュー]効き目を宣伝できない 日本の化粧品業界を苦しめる「独自ルール」

スペシャルインタビュー
NHK(日本放送協会)会長 井上樹彦
NHKは何を目指すのか 受信料収入下げ止まりに全力を挙げて取り組む

27年度収支均衡に向け受信料確保に荒療治 民事手続きまでやる「未収対策」の本気
400万件超を獲得した「NHK ONE」 2つのネット配信で存在感を示せるか

産業リポート
シチズン 世界を狙う時計戦略
LVMH出資で脚光 スイス子会社の存在感
シチズンのアメリカ市場「独り勝ち」の舞台裏 シチズン時計 社長 大治良高

NEWS&TOPICS最前線
夜の街と金融機関に衝撃 決済代行「全東信」の破産
東芝の取締役に日立前社長 業績改善で再上場へ着々
サッポロが世界3位と提携 透ける「したたかな思惑」


連載
|経済を見る眼|高市積極財政を監視する市場とアメリカ|早川英男
|トップに直撃|鹿島 社長 桐生雅文
|フォーカス政治|リアリティーショーと化す高市政治|牧原 出
|マネー潮流|円を90分の1にした政策の再来|佐々木 融
|中国動態|人民元国際化へインフラ整備が進む|福本智之
|財新 Opinion&News|中国の擬人型AI対話サービスが相次ぎ終了
|少数異見|「円安でホクホク」は年寄りのたわごと
|ヤバい会社烈伝|がん治療報告 98%は死ぬ? でも、まだ生きてます|金田信一郎
|知の技法出世の作法|流動化する世界の地政学的構図 日本がすべきは「選択しないこと」|佐藤 優
|話題の本|『トンデモ学説をぶった斬ったら比較言語学の入門書になった件』の著者大山祐亮氏に聞く ほか
|名著は知っている|『パブリックマネジメント』[上編] 
|ビジネスと人生は絶望に満ちている|“弱いリーダー”だから起こせた奇跡|頭木弘樹
|西野智彦の金融秘録|住専アリ地獄①
|21世紀の証言|LINEヤフー前会長 川邊健太郎 その3
|編集部から|
|次号予告|

今後の発売スケジュール

  • 8/24(月) 週刊東洋経済 2026年8月29日・9月5日合併号

訂正情報

「週刊東洋経済2026年8月1日・8日合併号」(7月27日発売)に、以下の誤りがありました。訂正してお詫び致します。
 
39ページ ■ 金融庁・日銀が相次ぎ警鐘!  不動産融資急膨張のリスク

1段目の日本銀行が公表した金融システムレポートに関する記述
【誤】不動産業向け融資は株価と並んでトレンドから上方に乖離する「赤」を示したと明記した
 ↓
【正】不動産業向け融資は株価と並んでトレンドから上方に乖離する「赤」に近づいていると明記した