運を味方にする 「偶然」の科学

バーバラ・ブラッチュリー著/栗木 さつき訳
2022年8月19日 発売
定価 2,200円(税込)
ISBN:9784492047118 / サイズ:四六/並/304

「私たちが運や偶然をどのように認識しているのか、その神経科学的、心理学的な裏付けについて興味深い洞察を提示する」
ーーV・S・ラマチャンドラン『脳のなかの天使』著者)

「運が私たちの生活で果たす役割とはなにかを考察してみせる」
――デイヴィッド・J・ハンド(インペリアル・カレッジ・ロンドン数学科名誉教授、『「偶然」の統計学』著者

「運とはなにかを探求する、楽しくて情報満載な書」
――ジェームズ・E・オールコック(ヨーク大学名誉教授)

私たちは、自分の努力が結果を左右しない、自分のコントロールの及ばない出来事が起こると、「運」のせいだという。
人間は予測できない不確実な世界を嫌い、ランダムな出来事のなかにパターンや意図を探すように進化した。このことが、「運」を信じる心を生み出したのだ。

私たちは幸運を神に願い、さまざまなおまじないやお守りに頼るが、不合理としか思えないこうした迷信にも、実は驚くべき利点がある。

「自分は運がいい」と思うことは、ランダムネスを恐れず、直観に従ってチャレンジすることを可能にし、不安感を減少させ、また、脳の「実行機能」を高めることが、研究によって明らかになっているのである。

運に頼ることで、困難な状況に直面してもやる気を維持できるし、運を信じれば自分には状況をコントロールする力があると思え、パフォーマンスが向上する。

「運がいい人」はランダムな世界に積極的に関わり、適切なタイミングで適切な場所にいるチャンスを高め、脳のエネルギーを問題解決に向けやすくなる。
いったん成功した人はさらに「自分は運がいい」と思えるので、さらなる成功を呼ぶのである。

「帰属理論」「反実仮想」「上方比較と下方比較」「ボトムアップ型注意とトップダウン型注意」など、心理学・神経科学の理論や知見を用いて、「運とはなにか」「なぜ運を信じるのか」「運がいい人はなにが違うのか」「どうすれば運を高められるのか」などといった疑問に答える、あなたの人生を変えるサイエンス書。

宝くじに4度も当選した女性や、何度も死にかけながらその度に命拾いした男性、呪われたミイラの逸話や、さまざまな文化や宗教における「幸運」の歴史、「呪術的思考」に見られる法則など、驚きのエピソードも満載!

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概要

運がいい人は脳波も違う? 運のよさは学習できる! 最先端の神経科学・心理学が明らかにする、なぜかツイている人の思考と習慣。

目次

第1章 運とはなにか
第2章 運の起源と歴史
第3章 運と帰属――「運のせい」にしたくなる心理
第4章 運呪術的思考――不合理な信念の役割
第5章 運とあなたの脳─パート1 脳波や前頭前野、実行機能と運の関係
第6章 運とあなたの脳─パート2 刺激と報酬、ミラーニューロンと運の関係
第7章 運に恵まれる方法――期待と注意というふたつのツール
第8章 幸運の女神を微笑ませる

原注
参考文献
索引

著者プロフィール

バーバラ・ブラッチュリー  【著】
Barbara Blatchley

アグネス・スコット・カレッジの心理学・神経科学の教授。インディアナ大学で学士号を、サウスカロライナ大学で博士号を取得。生理心理学、神経科学、リサーチにおける統計学、学習・感覚・知覚に関する心理学、うつ病の生物学的メカニズム、脳の発達に影響を及ぼす要因などを研究している。著書にStatistics in Context(2018年、未訳)がある。

栗木 さつき  【訳】
くりき さつき

慶應義塾大学経済学部卒業。訳書に『元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法』(東洋経済新報社)、『元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法』(大和書房)、『超一流の諜報員が教えるCIA式極秘心理術――ビジネススキルはインテリジェンスの最高峰から学べ』『ハーバードの人の心をつかむ力』『SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる』『バレットジャーナル――人生を変えるノート術』(以上、ダイヤモンド社)、『Numbers Don’t Lie――世界のリアルは「数字」でつかめ!』(共訳、NHK出版)、『わたしは無敵の女の子』(海と月社)などがある。