週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2026年7月18日・25日合併号最新号
2026年7月13日 発売
定価 950円(税込)
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【第1特集】保険の正体

保険業法の改正、続出する巨額の金銭不祥事、インフレによる収支の悪化という「三重苦」に襲われている保険業界。ビジネスモデルの聖域なき改革を迫られ、激動期にある保険各社と代理店の実情を解き明かします。金融庁による自己資本規制などの保険監督会計の見直しをめぐる神経戦や、政策保有株の売却で得た資金の使途、販売手数料の改定による影響など生保・損保業界の最新の情勢に迫ります。生保28社の社員が他社商品を評価する恒例の「生命保険お薦めランキング」も掲載しています。
 

【第2特集】AI時代の弁護士サバイバル

大手法律事務所から中規模、数人の事務所まで――。急速に進化するAIは弁護士の仕事をどう変えるのか。
 

【産業リポート】シェルター市場 勃興 シン・有事マネー

政府が地下シェルターの確保に向けた基本方針を策定した。新市場を狙う企業の動きも出てきている。
 

【スペシャルインタビュー】『通貨に信用を刻印する』を書いて 元日本銀行総裁 白川方明

 

担当記者より

特集「保険の正体」を担当した中村正毅です。

締め切りに追われ、目を充血させながら記事を執筆していたところ、プルデンシャル生命の関係者から電話がありました。今年3月に退職した元営業社員が、約600人分の顧客情報を持ち出していたことが発覚したという通報の電話でした。

早速取材を進める中で、見えてきた発覚の経緯はあまりにお粗末なものでした。この元社員は6月、顧客の氏名や保険料などの情報が記載された紙の資料を、東名高速道路のサービスエリアに立ち寄った際に紛失。その資料にはプルデンシャル生命の東京都内にある支社名が書かれており、拾得した人がその支社に善意で送付したことで、情報の持ち出しが発覚したというのです。

関係者によると、この元社員は顧客情報を転職先での営業に利用する意図はなかったなどと、会社側に説明しているようです。利用する気がない資料を、自宅に保管するわけでもなく、なぜ外出時に持ち歩いていたのかなど詳細はまだわかっていません。

プルデンシャル生命には、そうしたコンプライアンス意識が欠落している社員、元社員が少なくありません。退職時に顧客リストを持ち出し問題になるケースがこれまでも頻発しており、昨年には逮捕者も出ています。

不正のデパートのようになっているプルデンシャル生命ですが、ソニー生命をはじめとしてほかの保険会社も残念ながら似たり寄ったりの状況であり、笑っていられるほどの余裕はありません。

不祥事まみれの保険業界に、金融庁の職員たちが拳を握り締める中で、いつになったら正常化に向かうのか。本特集では騒動の渦中にある保険会社や社員に徹底取材して、その実情を解き明かしています。ぜひご覧いただければ幸いです。

担当記者:中村 正毅(なかむら まさき)
これまで雑貨メーカー、ネット通販、ネット広告、自動車部品、地銀、第二地銀、協同組織金融機関、メガバンク、政府系金融機関、財務省、総務省、民生電機、生命保険、損害保険、消費者金融などを取材してきた。趣味はマラソンと読書。

 

週刊東洋経済とは

週刊東洋経済

『週刊東洋経済』は、変化する世の中を確かな視点で解明する総合ビジネス週刊誌です。

創刊は1895年(明治28年)、日本国内で最も歴史のある週刊雑誌でもあります。企業戦略から主要業界事情、国内外の政治経済はもちろん、近年はビジネス実用、テクノロジー、社会問題まで、経済の複雑化やビジネスパーソンの関心の広がりに対応し、幅広いテーマを取り上げています。

一方で創刊以来、一貫しているのはセンセーショナリズム(扇情主義)を排除し、ファクトにこだわる編集方針を堅持することです。「意思決定のための必読誌」を掲げ、今読むべき特集やレポートを満載し、価値ある情報を毎週発信しています。

週刊東洋経済の編集方針

  1. 取材力
    当社に所属する約100人の経済専門記者が主要業界、全上場企業をカバー。国内外の経済や業界、企業などを深堀りし、他には読めない記事を提供。
  2. 分析力
    複雑な情報やビジネス慣習、制度変化などを分析し、的確に整理。表層的事象をなぞるのではなく、経済や社会の底流で起きている構造を読み解く
  3. 中立性
    企業や業界側の立場や事情に追従することなく、本誌記者は取材対象を客観的立場で分析・評価し、ときには忖度なく切り込む。

3つのポイント

視野が広がる幅広いテーマ
「健全なる経済社会を先導する」という創刊理念のもと、企業戦略やマクロ経済だけでなく、社会問題や海外情勢など幅広いテーマで特集を組み、中立的な立場で情報発信をしています。

図解や表でわかりやすく
ビジネス誌の中で随一の規模を誇る約100人の記者集団が、「経済から社会を読み解く」スタンスで徹底取材。旬な情報を図解や表にまとめて、わかりやすく解説します。

『会社四季報』の独自データで深掘り
約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。

目次

第1特集
保険の正体
「業法改正」「不祥事」「インフレ」の三重苦


生保28社の社員が「他社商品」を評価 生命保険お薦めランキング
[トップインタビュー] 第一生命保険 社長 隅野俊亮

Part1
生保の憂鬱

金融庁による会計見直しの衝撃 生保「埋蔵金」課税の悪夢
不正行為に歯止めが利かず 生保に巣くう詐欺の病巣

Part2
損保の実像

「自動車」「火災」で値上げラッシュ 「免責」設定で家計を防衛
米バークシャーなど海外勢も熱視線 「政策株特益」で問われる事業投資
[トップインタビュー] 三井住友海上火災保険 社長 海山 裕
[トップインタビュー] 損害保険ジャパン 社長 石川耕治

Part3
激動の代理店

金融庁が損保や代理店に見直し圧力 手数料改定がもたらす淘汰の波
生保・損保・代理店 覆面座談会

第2特集
AI時代の弁護士サバイバル
弁護士の5人に1人が利用 リーガルスケープ強さの秘訣
[インタビュー]「顧客はAIレベルの弁護士に依頼するのか」 弁護士 松尾剛行
一線弁護士5人のリアル

産業リポート
シェルター市場 勃興
シン・有事マネー
[インタビュー]「予算は国土強靱化と別で必要」 国土交通副大臣 佐々木 紀
[企業リポート]
① 川崎重工業 潜水艦の技術を陸に応用 シェルター換気市場に参入
② イトーキ 操作性と防護性能を兼備 「防爆扉」営業チーム新設
③ サンヨーホームズ 自宅地下シェルター新設技術 インフラ少ない地方に商機

スペシャルインタビュー
元日本銀行総裁 白川方明
『通貨に信用を刻印する』を書いて 答えの出ない問いを自問自答し続けている


NEWS&TOPICS最前線
SBIがビットバンク買収 暗号資産で国内最大勢力へ
JERAの新電力契約に隠された2つの狙い
小が大をのむイクヨの野望 トップが明かす提携の真意


連載
|経済を見る眼|消費税減税に垣間見える国民の本音|佐藤主光
|トップに直撃|出前館 社長 矢野 哲
|フォーカス政治|脱「ブラック霞が関」の次なる改革|飯尾 潤
|マネー潮流|異例の利上げは審議委員が主導|木内登英
|中国動態|建党演説に見る「示さない」選択肢|加茂具樹
|Inside USA|AI時代の分配論 新しい税制の構想が浮上|安井明彦
|少数異見|「自動車はソフトウェアが最重要」は本当か
|ゴルフざんまい|ジュニアゴルフ人口増加の決め手は!?|井上 透
|新約ソニー|第2章 恐れるな。ただ信ぜよ 5|大西康之
|知の技法 出世の作法|ウクライナによる「風船爆弾」 安価な兵器で戦闘は凄惨になる|佐藤 優
|話題の本|『テクノ・クーデター 民主主義崩壊とシリコンバレーの野望』の著者マリエッチェ・スハーケ氏に聞くほか
|名著は知っている|『薔薇の名前』[下編]|衣川理花
|ビジネスと人生は絶望に満ちている|努力すれば才能に追いつけるのか?|頭木弘樹
|西野智彦の金融秘録|銀行不倒神話の瓦解④
|21世紀の証言|LINEヤフー前会長 川邊健太郎 その2
|編集部から|
|次号予告|

今後の発売スケジュール

  • 7/27(月) 週刊東洋経済 2026年8月1日・8月8日合併号