週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌。

担当記者より
2021年1月23日号
2021年1月18日 発売
定価 730円(税込)
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【第1特集】製造立国の岐路 三菱重工と日立──「統合」破談から10年

日本の重厚長大産業を代表する三菱重工業と日立製作所の経営統合構想が2011年に浮上してから10年が経ちました。主導権争いで破談になったとされますが、その後、両社の明暗はくっきりと分かれています。

悲願だった国産旅客機「スペースジェット」の開発凍結が象徴する三菱重工の迷走、日立の情報インフラ産業への転換を徹底取材。日本のものづくりの将来を展望します。
 

【第2特集】反撃のNTT 動き出した巨象


海外事業拡大に向けたグループ再編、異業種大手との相次ぐ提携、そしてNTTドコモの完全子会社化──。NTTが国内外の事業拡大に向けて猛然と動き出している。

担当記者より

特集「製造立国の岐路」を担当した冨岡耕です。リーマンショックのあった2009年3月期に国内製造業で最大の赤字を出した日立製作所は、10余年を経て大きく変わりました。モノ売りからインフラサービスへと事業の選択と集中を推し進め、収益性を高めることに成功しています。

日立が歩んできたその大改革の道のりにおいて、旗振り役となったのが「ルマーダ」です。30万人を超えるグループ社員がルマーダの下に一致団結し、サービス中心の高収益企業に変身を遂げました。コロナ禍の今となってはそのような機会もなかなかありませんが、一時期は経営幹部が「レッツ!ルマーダ」で乾杯する光景も見られたとのこと。

ルマーダとは何でしょうか。一言で言うならば日立独自のIoT基盤です。これまで各部門が顧客ごとに受注し納入していたものが、標準化されたルマーダ商材の組み合わせでソリューションを提供できるようになった、とのこと。

確かにそうなのですが、取材を進めるうちにだんだん「ルマーダっていったい何?」という疑問が頭をもたげてきました。日立という大きなグループをまとめあげた象徴、宗教にも近いところがあるような気がしてきたのです。その詳細はぜひ本誌をお手に取ってお読みください。

また特集では、日立とは対照的な道を歩んできた三菱重工との明暗から、製造立国としての日本の今後を占いました。脱炭素にデジタル化、岐路に立たされている製造業が進むべき道を探ります。

担当記者:冨岡 耕(とみおか こう)
重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

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目次

第1特集
製造立国の岐路 三菱重工と日立

[図解]三菱重工と日立 統合構想破談 10年で様変わり
「日本企業は残り時間わずか 製造とデジタルの複合急げ」
一橋大学CFO教育研究センター長 伊藤邦雄

Part1 袋小路の三菱重工
社運懸けた1兆円投資が水の泡  国産初ジェット 失敗の必然
キャッシュフロー重視へ転換 巨額投資支えた財務基盤
創業150年を迎えた名門 三菱と日本のものづくり
稼ぎ頭も戦略見直し対象に 火力発電に脱炭素の逆風
「水素ガスタービンを広げる」 三菱パワー社長 河相 健
日本各地に多種多様な工場 大再編がこれから本格化 
[覆面座談会]ここが変だよ三菱重工
世界最高技術でもコスト高 官需への依存続くロケット
日本支える防衛産業の呪縛 防衛予算は増えても薄利ビジネス
工場跡地にベンチャー企業をスカウト 「脱自前」で新事業に挑む
「ネットワーク型の革新生む拠点つくる」 三菱重工業執行役員(シニアフェロー) 古屋孝明

Part2 日立は脱製造業へ
「レッツ! ルマーダ」が合言葉 サイロ破壊の若き旗手たち
「ヘルメットをかぶったSEになれ」 日立製作所副社長 塩塚啓一 
過去最大1兆円で送配電買収 「黒船」ABB事業の勝算
「御三家」売却検討、車載は巨大化 事業入れ替えは最終章に
「車載はグリーンとデジタルのタッチポイント」日立製作所副社長 小島啓二
「事業軸から地域軸に変える」 日立製作所社長兼CEO 東原敏昭
「苦悶する」ものづくり企業 
東芝 リストラ進め売り上げ激減 サービス関連で成長模索
IHI 航空機エンジンと並ぶ柱探る アンモニア燃料の研究積極化 
川崎重工業 新社長が矢継ぎ早の大変革 精密・ロボットに活路求める

第2特集
反撃のNTT 動き出した巨象
「競合に追いつく準備はできた アハモと同じく大胆にやる」NTTドコモ社長 井伊基之
世界のIT競争から取り残されたNTT 海外の攻略は待ったなし
「“光技術”でゲームチェンジ GAFAと同じ投資はしない」 NTT社長 澤田 純
「成長力を高めて世界トップ5入りを目指す」 NTTデータ社長 本間 洋
「ドコモと組んでプラットフォーマーになる」 NTTコミュニケーションズ社長 丸岡 亨

スペシャルインタビュー
国際情勢ストラテジストジョージ・フリードマン
「バイデン政権でも米中対立は止まらない」


ニュース最前線
時短要請で窮地の外食大手 緊急事態宣言で上がる悲鳴
安売り強行に専門店猛反発 資生堂社長が異例の謝罪
トランプ大統領退任でも 残るアメリカ政治の「分断」


連載  
|経済を見る眼|「Go To」の何が問題だったか|小峰隆夫
|ニュースの核心|株高の裏にある格差の是正はできるか|大崎明子
|トップに直撃|東都水産社長 江原 恒
|フォーカス政治|失敗しか生まない「自民型」政治主導|牧原 出
|グローバル・アイ|政策がつくる「未来の姿」 前例主義はなぜ問題か|マリアナ・マッツカート/サイモン・シャープ
|INSIDE USA|米議会で急増する女性議員 原動力は反トランピズム|肥田美佐子
|中国動態|コロナ再拡大の兆し、春節に警戒感|田中信彦
|財新|ファーウェイが「脱スマホ」加速ドローン企業が遊覧飛行に参入
|マネー潮流|米ドルが強くなるとき、弱くなるとき|佐々木 融
|少数異見|感情的なJALいじめをやめよ
|知の技法 出世の作法|年初から活発な言動を行う 北朝鮮・金正恩委員長の計算|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|経済学で起業してみる 目に見える「変化」の拠点|成田悠輔
|リーダーのためのDX超入門|「ブロックチェーン」の威力を見逃すな|山本康正
|人が集まる街 逃げる街|東京都 昭島市|牧野知弘
|クラシック音楽最新事情|名工ストラディバリの系譜 クレモナ弦楽器の伝統|田中 泰
|話題の本|『TIMELESS  石岡瑛子とその時代』著者 河尻亨一氏に聞く ほか
|経済クロスワード|三菱重工と日立
|「英語雑談力」入門|brace oneself for ~|柴田真一 
|ゴルフざんまい|女子プロゴルフは2021年も躍進!|小林浩美
|編集部から|
|読者の手紙 次号予告|

訂正情報

「週刊東洋経済2021年1月23日号」(1月18日発売)に、以下の間違いがありました。訂正してお詫び致します。
 
49ページ ■第一特集「製造立国の岐路」
自動車運搬船の写真キャプション

【誤】三菱造船が建造したLNGだき自動車運搬船
 ↓
【正】三菱造船が製造したLNG供給システムを搭載した船
58ページ ■第一特集「製造立国の岐路」
日立製作所のブラッド・スラク氏の記述

【誤】現在、日立ヴァンタラでデジタルソリューションズ部門のトップを務める。
 ↓
【正】昨年秋まで日立ヴァンタラでデジタルソリューションズ部門のトップを務めた。
59ページ ■日立製作所・塩塚啓一副社長のインタビュー

【誤】新しい価値を生み出すための競争もできない 
 ↓
【正】新しい価値を生み出すための「協創」もできない
96ページ ■話題の本 著者に聞く

【誤】映画『ドラキュラ』の衣装で日本人初の米アカデミー賞を受賞し、
 ↓
【正】映画『ドラキュラ』の衣装で米アカデミー賞を受賞し、

(おことわり)インタビューをした小誌記者が、誤った情報を付け加えました。