【著者からひとこと】
戦後の石橋湛山は、道徳的、良心的政治家として存在しただけではない。強い信念を持つ、理想主義的経済人、言論人、思想家でもあった。彼の最大の思想的価値は、戦後の日本および将来の世界と向き合う小国主義的、平和主義的復興再建の理念を示したことにあるのではないかと思う。
私は、本書が今日、日本の国家・政治のあり方、また日本人としての生き方に有益な示唆を与えるであろうことを願っています。
姜 克 實 ジャン クーシー
1953年中国天津市生まれ。(文化大革命の動乱を経て) 1982年南開大学卒業。 復旦大学大学院を経て、1983年国費留学生として来日。1991年早稲田大学大学院文学部研究科博士課程後期過程修了(文学博士)。 早稲田大学文学部助手、岡山大学助教授を経て、現在岡山大学教授。(専攻:日本現代史)
著書に、『石橋湛山の思想史的研究』早稲田大学出版部、1992年(第14回石橋湛山賞受賞)。『石橋湛山:自由主義の背骨』丸善ライブラリー、1994年。『現代中国を見る眼:民衆から見た社会主義』丸善ライブラリー、1997年などがある。