【編集者コメント】
美しい自然や森こそが、日本という共同体の原点である。美しい自然や森を失うことは、日本という共同体を失うことである。「環境」「信仰」「食文化」の視点から、太古からの東西文明の衰亡を比較検証し、地球環境危機の次代にふさわしい次代の共生モデルを提言。米国・中国の影響力が大きくなる世界システムに対し、文明論の立場から警鐘を鳴らす。宇沢弘文(東京大学名誉教授)推薦。
第一章 山は日本文明未来のキーワード 第二章 人はなぜ山を崇拝するのか 第三章 山を征服する肉食文明・崇拝する魚食文明 第四章 山は新たな時代の到来を予告している 第五章 ユダヤ・キリスト教も山で生まれた 第六章 山に祈る心が地球と人類を救う
安田喜憲
やすだ・よしのり
1946年三重県生まれ.東北大学大学院理学研究科修了(理学博士),環境考古学専攻.フンボルト大学客員教授,京都大学大学院理学研究科教授(併任)など歴任.
中日文化賞,紫綬褒章受賞.
現在,国際日本文化研究センター教授,スウェーデン王立科学アカデミー会員.
主な著書に『蛇と十字架』(人文書院),『文明の環境史観』(中公叢書),『生命文明の世紀へ』(第三文明社),『一神教の闇』(ちくま新書),『気候変動の文明史』(NTT選書),『稲作漁撈文明』(雄山閣)ほか多数.