そして、メディアは日本を戦争に導いた

半藤 一利著/保阪 正康著
2013年10月11日 発売
定価 1,620円(税込)
ISBN:9784492061916 / サイズ:サイズ:四六判/ページ数:224


いま昭和史から学ぶべき、いちばん大事なこと



昭和史の大家ふたりが、破局に突き進んだ「昭和の大転換期の真相」を明らかにした対談。タブー視され部分的にしか語られることのなかったジャーナリズムと国民自身の戦争責任について、真正面から取り上げている。そして昭和の歴史を振り返るだけでなく、時代状況が驚くほど似てきた現在へ警鐘を鳴らす。



昭和初期、新聞は軍部の圧力に屈したのではなく、部数拡大にため自ら戦争を煽(あお)った。日露戦争時の「戦争に協力すると新聞が売れる」という教訓にしたがい、先頭に立って太鼓を鳴らし、日本を戦争へ導いたのである。しばらくは軍部に抵抗していた雑誌ジャーナリズムも同様の道をたどることとなった。



国民の側も、5.15事件はじめテロを「義挙」として賞賛し、国連脱退を熱狂的に支持するなど、ひとりよがりな「正義」にとりつかれ冷静さを失っていった。言論人、文化人も狂騒状態に陥り、国際的孤立を歓迎した。ジャーナリズムのミスリードから、付和雷同しやすい民族性もあり、国民全体がなだれをうって破局への道を選択したのである。



当時のこうした時代状況に、“現在”は驚くほど似ている。近現代史の「四〇年周期説」(37ページ)でいっても現在は、昭和初期に当たる。憲法改正の動き、ヘイトスピーチなどに見られる右傾化、新たな形での言論弾圧・テロなど、危険な兆候も増えてきた。にもかかわらず、あまりにも歴史を知らず危機感のないジャーナリストはじめ国民に対して、いちばん大事な「昭和史の教訓」をわかりやすく説いたのが本書である。


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概要

破局に突き進んだ昭和の大転換期の「本当の真相」を明らかにした対談。時代状況が驚くほど似てきた”現在”にも警鐘を鳴らす。

目次


はじめに  いちばん大事な昭和史の教訓★半藤一利

序 章 いまなぜジャーナリズム論か

第一章 戦争報道と商業主義

第二章 テロと暴力賛美の歪み、その内側


第三章 国際社会との亀裂の広がり

第四章 国家の宣伝要員という役割

第五章 暴力とジャーナリズム

終 章 現在への問いかけ

関連年表

おわりに  いま、桐生悠々に学ぶべきこと★保阪正康


著者プロフィール

半藤一利
はんどう・かずとし

1930年、東京生まれ。東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、専務取締役などを経て作家。「歴史探偵」を自称。『漱石先生ぞな、もし』(正続、新田治郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(山本七平賞)、『日本のいちばん長い日』、『昭和史1926-1945』『昭和史 戦後編』(毎日出版文化賞特別賞)、『幕末史』、『山本五十六』、『日露戦争史』(1、2)など著書多数。

保阪正康
ほさか・まさやす

1939年、札幌市生まれ。同志社大学文学部卒業後、出版社勤務を経て、ノンフィクション作家。昭和史の実証的研究を志し、のべ4000人もの関係者たちを取材して肉声を記録してきた。個人誌「昭和史講座」を主宰。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞を受賞。『昭和陸軍の研究』、『東條英機と天皇の時代』、『昭和史 七つの謎』、『あの戦争は何だったのか』、『昭和の戦争と独立』など著書多数。