さあ、困った! こんなときどうする?
バイク便のライダー、塾講師、フランチャイズ店店主、ピアノ講師などに見られるように、委託労働、請負労働、個人事業という働き方が広がっている。その形態は、労働時間や保証の部分が複雑でわかりにくい。委託労働、請負労働であっても仕事の受発注のルールがあり、労働者は守られる部分がある。
しかし、自分自身がどのような形態で働いているかわからずトラブルに巻きこまれることも多い。バイク便のライダーが事故に遭うと労災は適用されるのか、塾講師の残業代は支払われるのか、……。複雑でわかりにくそうに見える委託・請負で働く際のルールやトラブル発生時の対処法をわかりやすく解説する。
第1章 業務委託・請負ってどんな働き方? 第2章 委託就労者がぶつかるトラブル・ケーススタディ 第3章 トラブル相談と解決の手法 番外編 【座談会】委託就労者のいま、これから
古川景一 【監修者】
ふるかわ けいいち
弁護士(1979年登録)、日本労働法学会会員、日本労働弁護団全国常任幹事
本書関連の執筆論文に、「労働者性判断を巡る諸問題と課題―使用従属関係論の克服」(2010.4『季刊・労働者の権利』284-2)、「労働者性判断基準=経済的従属性―都労委総会決定(1949年4月15日)の再発見と判断基準の再構成」(2009.11『月刊労委労協』643-2)、「労働組合法上の労働者―最高裁判例法理と我妻理論の再評価」(2009.3『季刊労働法』224-165)、「労働者概念を巡る日本法の沿革と立法課題」(2007.12『季刊労働法』219-153)。
古山 修 【著者】
ふるやま しゅう
連合東京組織化推進局長
1949年生まれ。1985年より、港区労協オルグとして組織化活動に入る。91年連合東京に入局。地域局で中部地域を担当。93年に個人加盟の中部地域労働組合を結成、労働相談活動を通して労働組合を結成していく。95年に組織局へ配属、97年に連合ユニオン東京(約4,000人)を結成し副執行委員長を務める。
2002年「未組織労働者の組織化とオルグの育成」が「山田精吾顕彰会」論文の部で優秀賞。
北 健一 【著者】
きた けんいち
ジャーナリスト、出版ネッツ執行委員長(執筆時)
1965年生まれ。フリーランスの記者として広く社会問題を取材し、週刊誌などに発表。えひめ丸沈没事件を追った作品「海の学校」で週刊金曜日ルポ大賞優秀賞。
著書に『高利金融』(旬報社)、『その印鑑、押してはいけない!』(朝日新聞出版)、共著に『日本をだめにした40の悪法』(合同出版)ほか。組合では労働相談にも携わる。