変容するアジアと日米関係

吉野 孝監修/蟻川 靖浩編著/浦田 秀次郎編著/谷内 正太郎編著/柳井 俊二編著
2012年3月30日 発売
定価 4,180円(税込)
ISBN:9784492211977 / サイズ:サイズ:A5判/ページ数:240

アジア地殻変動の中で日本は何ができるのか?

日米関係はどのような役割を担えるのか?




アジアでは現在、大規模な構造的変化が起こっている。中国とインドは急成長を続け、政治経済に大きな影響を及ぼしている。ASEANの一部の新興国、韓国・台湾は、2008年金融危機から迅速に回復を果たしている。



一方で、主要先進国は長引く不況から抜け出すことができていない。その結果、自由貿易協定(FTA)、経済連携協定(EPA)への依存と多国間主義が広がり、アジア太平洋経済協力(APEC)にアメリカも積極的に関わり始めている。



これらのアジアの大規模な地殻変動の中で、日本は何ができるのだろうか? 日米関係はどのような役割を担うことになるのだろうか?



本書では、日米・アジアに横たわる幾多もの課題――地域統合問題、安全保障問題、ビジネスルールの問題など――を俯瞰して、それぞれの分野における長期的な問題を明らかにしたうえで、日本の長期的ビジョンの不在が、どれだけ日米および日アジアの関係を複雑かつ不毛なものにしているのかをみる。

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概要

大規模な構造変化が起こっている現在のアジアにおいて日本は何ができるのか。新たに形成されつつある多国間主義とどう向き合うのか。国家レベル、国間レベル、企業レベルで考察する。

目次


 序 章 米国と中国のアジア政策:理念と戦略
第1)部 錯綜するアジア太平洋地域統合の枠組み 
 第1章 錯綜するアジア太平洋地域統合の枠組み:解説   
 第2章 米国のアジア太平洋地域統合モデル 
 第3章 東アジアFTAのドミノ論とドミノ停止論
第1)1)部 アジアの安全保障と日米同盟の将来
 第4章 アジアの安全保障と日米同盟の将来:解説
 第5章 日米同盟の現状と方向:日本の危機の経験は
     日米同盟の転換点となるのか?
 第6章 日米同盟と地域安全保障
 第7章 変容するアジアと日本の安全保障体制
第1)1)1)部 コーポレートガバナンスとリスク・マネジメント
 第8章 コーポレートガバナンスとリスク・マネジメント:解説
 第9章 日本やアジアの企業が米国進出において直面するリスク
 第10章 コーポレートガバナンスの新たなフロンティア
 終 章 変容するアジアと日米関係:課題と展望

 

著者プロフィール

吉野 孝   【監修者】
よしの・たかし

早稲田大学政治経済学部教授、早稲田大学日米研究機構長。1954年長野県生まれ。1978年早稲田大学政治経済学部卒業。早稲田大学大学院政治学研究科後期課程修了後、早稲田大学政治経済学部助手、専任講師、助教授などを経て現職。ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)客員研究員などを歴任。専門は、英米政治学、政党論、アメリカ政治。

主な著書は、『誰が政治家になるのか―候補者選びの国際比較』(共著、早稲田大学出版部, 2001年)、『2008年 アメリカ大統領選挙―オバマの当選は何を意味するのか』(共著、東信堂, 2009年)、『オバマ政権はアメリカをどのように変えたのか―支持連合・政策成果・中間選挙』(共著、東信堂, 2010年)など。