「天佑」? それとも「奈落」? 彼は一体何者なのか。
「橋下徹」とは一体何者なのか。何を予期し、何を遂行し、何を具体化しようとしているのか。いかなる未来の到来を告げるものなのか。現在のような政治的混迷は戦後史上稀有のものであり、時代の転換点に立つなかで、橋下徹ほど多くのことを私たちに教えてくれる存在はない。
橋下徹の言葉の大胆さ、着眼点の斬新さを見るだけでも、彼がいかにして民心を把握することに新たな視点を持ち込み、負のマインドセット、虚無的心情を巧みにシステム化したかがわかる。橋下徹を知ることは単に一人の地方政治家を知るというにとどまらず、現在がいかに危険な地点かを異なる視野から見つめるのに役立つ。橋下徹は現代を読み解く回路であり、導きの糸である。彼の存在と向き合うことで、今なすべきことを知ることができる。
本書を通して、「橋下政治」の正体を明らかにし、「橋下政治」の分析を通して日本の政治の正体が解明され、日本国民が現代の政治にどう対処すべきかが明らかになっていく。戦後政治を独自の視座で観察し、透徹した言論を行ってきた著者による。橋下徹が大阪府知事に就任以来、著者による四年半にわたる調査と熟慮の成果となる一冊です。
はじめに――政を為すは人にあり 第1章 橋下政治に対する二つの相反する見方――善か悪か 第2章 『橋下語録』から読み解く橋下政治の異常性 第3章 「メディアが相手にしなくなったら自分は終了」(『橋下語録』) 第4章 『橋下語録』が物語る橋下徹氏の存在の意味 第5章 「大阪都」の根にある反中央・反東京・反権力の感情 第6章 橋下徹氏の巧妙な弁論術と政界操縦術――その限界 第7章 橋下徹氏の「国のかたち」論 第8章 毒舌、刺激的なきわどい独特の言葉で品性低きマスコミを取り込む 第9章 橋下徹氏の非常識発言が繰り返され拡大されるメカニズム 第10章 『橋下語録』から浮かび上がる橋下徹氏の政治論 終 章 新しい時代が求める指導者像