「政策分析の8ステップ」と名づけられた画期的なこの方法論は、
驚くほど明瞭で簡潔な政策立案の指針を与えてくれる。
さまざまな利害が対立する中で有効な政策を立案し、民主的に決定し、実行していかなければならない公共政策の現場は、学問研究だけでは太刀打ちできない世界です。
本書はカリフォルニア大学バークレー校ゴールドマン公共政策大学院で長年用いられてきた政策立案の実践的な手引きであり、問題の発見から政治的な駆け引きを勝ち抜いて実行にこぎ着けるまでのプロセスを独自のフレームワークに基づいて解説しています。
(1)問題を定義する、
(2)証拠を集める、
(3)政策オプションを組み立てる、
(4)評価基準を選ぶ、
(5)成果を予測する、
(6)トレードオフに立ち向かう、
(7)決断する、
(8)ストーリーを語る、
というこの「政策分析の8ステップ」は、驚くほど明瞭で簡潔な政策立案の指針を与えてくれます。政策に関わる全ての人に贈る、今後の日本の公共政策をより良いものにするための方法が示された一冊です。
第1章 政策分析の8つのステップ 第2章 証拠を集める 第3章 「スマート(ベスト)プラクティス」の研究 ――別の場所のよさそうなアイデアを理解して活用する 付録A 政策分析の実例 付録B 政府が行うこと 付録C 公的組織・非営利組織を理解する ――正しく理解するための41の質問 付録D 政治的支援を勝ち取るための戦略的アドバイス
ユージン・バーダック
カリフォルニア大学バークレー校ゴールドマン公共政策大学院名誉教授
1973年以来同大学院において大学院レベルの政策分析の実習講座を担当し,400にも上る学生の政策分析プロジェクトを指導。幅広い教育・研究の関心領域をもつ持つ政治学者であり,政策の執行と公共経営,最近はサービス提供の組織横断的連携の問題(福祉サービス,環境規制,消防や居住確保など)が関心領域。連邦内務省の政策分析室で勤務した経験も持つ。政策分析の創造的な貢献を認められ,1998年にDonald T.Campbell Award of the Policy Studies Organization受賞。
白石賢司
しらいし・けんじ
2004年東京大学大学院工学系研究科修了,同年環境省入省。現在は同省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室室長補佐。2010年カリフォルニア大学バークレー校修了((MPP))。自然エネルギー政策の研究によりSmolensky Prize(最優秀修士論文賞)を受賞。
鍋島 学
なべしま・まなぶ
2001年東京大学法学部卒業,同年経済産業省入省。現在は同省資源エネルギー庁電力・ガス事業部政策課課長補佐。2007年カリフォルニア大学バークレー校修了((MPP))。
南津和広
みなみつ・かずひろ
2000年東京大学法学部卒業,同年国土交通省入省。現在は同省住宅局安心居住推進課課長補佐。2009年カリフォルニア大学バークレー校修了((MPP))。