地域公共交通の統合的政策

日欧比較からみえる新時代

宇都宮 浄人著
2020年10月23日 発売
定価 4,620円(税込)
ISBN:9784492212431 / サイズ:A5/上/312

人口減少と高齢化が重くのしかかるようになった今世紀、政府も事業者も住民も研究者もそれぞれの立場で、地域公共交通のあり方の模索を続けてきた。
公益性とビジネスの狭間にある地域公共交通を、どのように位置づけ、活用すればよいのかというのは、非常に大きなテーマである。

地域公共交通の問題は日本特有のものではない。比較的人口密度が高い欧州でも、日本と同様の様々な問題に直面してきた。
著者が、オーストリアで1年間に渡って調査を行った結果わかったことは、オーストリアがこの20年余りの間に政策転換を行い、制度を整備し、地域公共交通の再生を強力に推し進めたことにより、一定の人口集積がある地方都市では、日常生活の移動に困らず、街には賑いがあり、市民の暮らしが豊かになっているということであった。少なくとも、日本の地方都市とは全く違っていたという。

本書では、著者が欧州で研究したことを踏まえ、これを日本と対比させながら、日本のこれからの地域公共交通政策の制度や政策を考える鍵を提示するものとなっている。
これからの政府・自治体職員必読の書である。


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概要

交通研究の第一人者が、人口減少、高齢化、財政赤字などに苦しむ地域を活性化させるための、まちづくり戦略を大胆提言。

目次

第1章 なぜ地域公共交通を議論するのか
第2章 日本の地域公共交通政策はどのように変わったのか(1)
第3章 日本の地域公共交通政策はどのように変わったのか(2)
第4章 欧州の地域公共交通政策はどのように変わったのか
第5章 地域公共交通政策の「統合」とは何か
第6章 オーストリアが実現した地域公共交通政策と財政支援
第7章 地域公共交通の価値とは何か
第8章 地域鉄道の価値の測定
第9章 地域公共交通とソーシャル・キャピタルはどのような関係があるのか
第10章 地域公共交通政策はソーシャル・キャピタルに影響を与えるのか
第11章 交通政策は地域公共交通の利用者を増やすことができるのか
第12章 総括:地域公共交通の統合的政策をめざして

著者プロフィール

宇都宮 浄人  【著】
うつのみや きよひと

1960年生まれ。京都大学経済学部卒業。1984年に日本銀行に入行し、マンチェスター大学大学院留学(MA)、経済企画庁調査局内国調査第一課派遣、一橋大学経済研究所専任講師、調査統計局物価統計課長、金融研究所歴史研究課長を経て、2011年に関西大学経済学部教授に就任。2017年4月より2018年3月までウィーン工科大学客員教授。
主な著書は『路面電車ルネッサンス』(第29回交通図書賞受賞)、『鉄道復権』(第38回交通図書賞受賞、ともに新潮社)、『地域再生の戦略』(第41回交通図書賞受賞、筑摩書房)、『経済統計の活用と論点』(共著、東洋経済新報社)。