病気が普通の市民を貧困へと突き落とす! 日本への警告!
アメリカは先進国で唯一、国民皆保険制度がなく、病気になった時には保険会社がかかるべき医師から治療法まで指示をする一方で、無保険者が5000万人に及んでいる。
善良で、誠実で、勤勉なアメリカ市民も、病気や怪我をきっかけに人生の軌道を狂わせ、絶望の淵に沈み、時には死に追いやられる。
医療が市場主義に委ねられた結果、大多数の国民は医療崩壊と生命の危機に脅かされている。すべて現実に起こった事件をもとに、米医療の問題点を浮き彫りにする衝撃のルポ。皆保険をうたいながら、国民健康保険料延滞世帯461万世帯(2006年)、実質的な無保険者35万人(2007年)といわれる日本への警告!
序 章 ある急患の死 第1章 普通の市民の医療破産 第2章 悪徳医療保険に気をつけろ 第3章 "市場原理"にはさからえない 第4章 行き詰まる退職者保険制度 第5章 メディケイド(低所得者向け医療保険) 第6章 病院は敵か味方か? 第7章 無保険者は死ととなり合わせ 第8章 精神疾患医療は誤解だらけ 結 論 国民皆保険の実現に向かって 解 題 「健保弱者」への対処は日米共通の課題
ジョナサン・コーン
Jonathan Cohn
ハーヴァード大学卒業。現在、『ニューリパブリック』のシニアエディターとして、アメリカの福祉、医療問題を中心に主に政治記事を担当。シンクタンク、デモスの特別会員。「医療問題に関する我が国有数のライター」(『ニューヨークタイムズ』紙)との評価を受ける。カイザー・ファミリー財団のメディア会員として、『ニューヨークタイムズ』『ワシントンポスト』『ローリングストーン』などにも寄稿。ミシガン州、アンアーバー在住。
鈴木研一 【訳者】
すずき・けんいち
1962年信州大学文理学部社会科学科卒、1971年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。以後、フリーランスの翻訳者として活動。『ニューズウィーク』翻訳におよそ20年間従事。主訳書に、ミランダ・デービス『世界の女性と暴力』(明石書店)、アードマン・B・バルモア『エイジズム』(同)などがある。