山崎正和の遺言

片山 修著
2021年6月25日 発売
定価 2,420円(税込)
ISBN:9784492223994 / サイズ:四六/上/352

2020年8月、惜しまれつつ亡くなった「日本を代表する知性」山崎正和氏への逝去直前まで行われたロングインタビューや、キーパーソンの貴重な歴史的証言を基にした初の本格評伝。

『?外 闘う家長』以来、半世紀に及び劇作家、批評家として日本の「知」を牽引し、「サントリー文化財団」を舞台に「知のサロン」を創造し、演出した山崎正和。
山崎は約40年間にわたって、知識社会の到来を先取りするかのように自由闊達な活動を志向し、華麗な知的ネットワークを構築して、生き生きとした「日本の論壇」をつくった。
彼を中心とした「サロン」は、文化の支え手として、どのような役割を果たしていったのか。
その時代に登場した知のスターたちの活躍の背景に何があったのか。
時代背景を複眼的に捉えつつ、「最後の知識人」山崎正和を軸に「知の人間交差点」を描き出す。
稀有な知的サロンの「社交」で紡がれた「柔らかい個人主義」の時代、創造のドラマとラストメッセージ。

[山崎正和氏以外の登場人物] 
浅利慶太、東浩紀、五百籏頭眞、石川九楊、猪木武徳、今西錦司、梅棹忠夫、エズラ・ヴォーゲル、江藤淳、小澤征爾、小渕恵三、開高健、粕谷一希、苅部直、北岡伸一、楠田實、小泉純一郎、高坂正堯、小松左京、佐治敬三、佐治信忠、佐藤栄作、佐藤誠三郎、塩野七生、司馬遼太郎、嶋中鵬二、竹下登、田所昌幸、田中角栄、ダニエル・ベル、谷沢永一、ドナルド・キーン、鳥井信一郎、鳥井信吾、鳥井信治郎、福田赳夫、福田康夫、細谷雄一、待鳥聡史、三浦雅士、御厨貴、ミルトン・フリードマン、メルロ=ポンティ、盛田昭夫、森まゆみ、レヴィ=ストロース、山口瞳、ロナルド・ドーア、鷲田清一の各氏ほか多数

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概要

昨年8月逝去した日本を代表する知性・山崎正和氏へのロングインタビューや、キーパーソンの貴重な歴史的証言を基にした初の本格評伝

目次

序 章 戦後の何に憂い、仕掛けたのか

第1章 「柔らかい社会」の到来

第2章 文化財団の設立前夜

第3章 「知」の舞台づくり

第4章 言論界の構造改革

第5章 文化が地域をつくる

第6章 躍動する「知」のリーダー

第7章 究極の到達点「社交」

第8章 内外に「知の場」の創設

終 章 人生の「リズム」

人名索引

著者プロフィール

片山 修  【著】
かたやま おさむ

愛知県名古屋市生まれ。経済、経営など幅広いテーマを手掛けるジャーナリスト。鋭い着眼点と柔軟な発想力が持ち味。経営戦略、マネジメントにも造詣が深く、長年の取材経験に裏打ちされた企業論、組織論、人事論、時代論には定評がある。2001年から2011年まで学習院女子大学客員教授を務める。
『時代は踊った――オンリー・イエスタディ‘80s』(文藝春秋)、『ソニーの法則』『トヨタの方式』(以上、小学館文庫)、『本田宗一郎と「昭和の男」たち』(文春新書)、『ふるさと革命――“消滅”に挑むリーダーたち』(潮出版社)、『社員を幸せにする会社』『技術屋の王国――ホンダの不思議力』『豊田章男』(以上、東洋経済新報社)など、著書は60冊を超える。