魔窟 知られざる「日大帝国」興亡の歴史

森 功著
2024年12月18日 発売
定価 1,980円(税込)
ISBN:9784492224250 / サイズ:四六/上/358

◎田中英壽体制の地下水脈
◎中興の祖「古田重二良」の呪縛
◎アメフト部薬物事件
◎入学志願数2万2000減
◎重量挙部・陸上部・スケート部「被害額1億1500万円超」の金銭不祥事
◎「1000億円建替えプロジェクト」医学部附属「板橋病院」の税務調査 など…

迷走する「林真理子体制」。
裏切られた改革。
大宅賞作家が「日本一のマンモス私大」の「権力と闇」に光を当て、現在進行形の「タブー」に迫る。

2021年、田中英壽理事長(当時)が率いる日本大学を舞台に起こった一連の事件には、日本の私立大学が長らく抱えてきた共通の病が潜んでいた。日本一のマンモス私大「日本大学」の歴代トップが歩んできた日大の歴史を紐解きながら、転換期にある日本の私大問題を掘る。

120万の卒業生を日本社会に送り出した日本最大の私学である日大は、私学の歴史そのものを投影しているといっていい。光の裏に潜む知られざる暗黒史もまた、日大の歴史といえる。――「はじめに」より

文理学部畑の加藤直人から理事長の座を引き継いだ芸術学部出身の林真理子体制になった日大は、田中の側近幹部職員や理事を主要ポストから外し、田中支配から解放された。それは間違いない。反面、こと大学の組織運営という点では、迷走していく。それは、ある意味でカリスマ理事長の田中による統治といガバナンスが機能しなくなったからかもしれない。実のところ、そこを危惧している日大の職員も少なくない。――第9章より

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概要

迷走する「林真理子体制」。裏切られた改革。大宅賞作家が日本一のマンモス私大の「権力と闇」に光を当て、現在進行形のタブーに迫る

目次

第一章 期待の「林真理子体制」迷走の始まり

第二章 中興の祖「古田重二良」の罪

第三章 日大紛争が生んだ怪物

第四章 ワンマン理事長「田中英壽」の原点

第五章 地下水脈に通じた田中帝国の誕生

第六章 裏社会との腐れ縁

第七章 不祥事

第八章 流行作家理事長の誕生

第九章 ジレンマを抱えた改革

第十章 薬物事件の真相

終 章 パニックの果てに

著者プロフィール

森 功  【著】
もり いさお

1961年、福岡県生まれ。ノンフィクション作家。岡山大学文学部卒業後、伊勢新聞社、『週刊新潮』編集部などを経て、2003年に独立。2008年、2009年に2年連続で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を受賞。2018年には『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』(文藝春秋)で「大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞」受賞。『同和と銀行 三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録』『ならずもの 井上雅博伝――ヤフーを作った男』『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』『国商 最後のフィクサー葛西敬之』(以上、講談社)、『総理の影 菅義偉の正体』(小学館)、『鬼才 伝説の編集人 齋藤十一』(幻冬舎)など著書多数。