徹底取材から明らかになる
日本の労働現場の実態
低収入で不安定な立場にある非正社員。過労死に至ってもおかしくない水準で働きつづけても報われない正社員。「働いて生活を支える」基盤である日本の社会システムはすさまじい勢いで融解(メルトダウン)を起こしている。それは民間だけでなく、病院などの公的な分野にも及び、日本社会全体を蝕みつつある。
第I部 雇用融解 第ニ幕 第1章 深層海流「派遣切り」 第2章 「告発者」たちの憂鬱 第3章 派遣業最大手グッドウィルの破滅 第4章 「労働組合」「派遣会社」は誰のためにあるのか 第II部 融解連鎖 第5章 居住融解――「ハウジングプア」の現実 第6章 医療介護融解 第7章 地域社会融解 第8章 公共現場融解
風間直樹
かざま・なおき
1977年長野県生まれ。都立小石川高校、早稲田大学政治経済学部卒業。2001年同大大学院法学研究科修了後、東洋経済新報社に入社。第一編集局(現・編集局)記者として、電機、金融担当を経て、雇用労働、社会保障問題等を取材。現在、『週刊東洋経済』編集部所属。
第1回貧困ジャーナリズム大賞受賞。
著書に『雇用融解――これが新しい「日本型雇用」なのか』(東洋経済新報社、2007年)。