序 章 契約理論の新展開
第1章 不完備契約の考え方
1-1 完備契約の世界:コースの定理
1-2 不完備契約のケース
第2章 不完備契約理論の基礎
2-1 単純な理論モデル
2-2 複雑なモデル
第3章 企業の境界と所得権の配分
3-1 企業の境界
3-2 モデル分析
3-3 所有権の配分
第4章 権限配分への応用
4-1 組織内の権限配分
4-2 簡単なモデル
4-3 仮定のもつ意味
第5章 形式的権限と実質的権限
5-1 形式的権限からの乖離
5-2 モデル分析
5-3 知識レベルが外生的な場合
5-4 知識レベルが内生的な場合
第6章 法律の役割
6-1 会社法の規定
6-2 法律の役割:完備契約の場合
6-3 法律の役割:不完備契約の場合
6-4 強行規定の必要性
第7章 公的企業組織の問題
7-1 公的企業の特徴
7-2 ソフトな予算制約問題
7-3 官僚組織の問題
第8章 民営化の問題
8-1 国営か民営か
8-2 完備契約の場合の民営化
8-3 国営と民営の違い
8-4 モデル
8-5 ソフトな予算制約問題との関連
第9章 金融契約への応用
9-1 不完備契約と金融取引
9-2 ベンチャー企業の資金調達
第10章 負債の役割
10-1 負債と決定権限
10-2 経営者のインセンティブとコーポレート・ファイナンス
第11章 銀行規制問題への応用
11-1 銀行規制の議論
11-2 銀行経営者のインセンティブ
11-3 自己資本比率規制
11-4 自己資本比率規制とマクロショック
第12章 マクロモデルへの応用
12-1 マクロ経済への応用の可能性
12-2 金利の内生化
12-3 景気変動への影響
第13章 不完備契約モデル:理論編
13-1 不完備契約理論モデル
13-2 不完備契約の基礎づけ
第14章 金融契約モデル:理論編
14-1 非効率的交渉
14-2 インセンティブへの影響