著者コメント
みなさんは、経済学についてどのようなイメージをもっているでしょうか。経済学は、金儲け理論と思われがちです。でも、実はそうではありません。経済学は、みなさんが毎日行っている取引にスポットを当て、どうすればベストな取引ができるかを考えていくものなのです。では、なぜ難しくなってしまうのでしょうか? 経済学が難しく感じる点は、大きく分けて3つあります。
1つ目は、経済学の目的がわからないまま話が進んでいくという点です。なぜこの理論が重要で、今後の話にどう関連していくのかがわからないまま、理論の詳細を説明されている感じがするので、理解が難しいのです。
2つ目は、専門用語が多すぎて、そもそも説明されている日本語がよくわらないという点です。 実際、多くの教科書では、経済学専用の言葉で解説してあります。そのため、書いてある内容を理解することに時間を取られてしまうのです。
3つ目は、グラフと数式のイメージがつかみづらいという点です。経済学では、頻繁にグラフと数式が登場します。しかし、グラフや数学が苦手な方からすれば、グラフと式は暗号やパズルに見え、内容が把握できません。
この3つが経済学を難しく見せています。ということは、この3つさえクリアーすれば、経済学は、誰にでも理解することができます。
本書では、各パートの最初に、そのパートの概要や重要事項をマンガで説明しています。経済学のエッセンスが凝縮されていて、これからどんな話をしていくのかがよくわりますので、すごく役に立ちます。そして、マンガを読んだ後に、各レッスンを読んでいただければ、「あ、そういうことね」と感じていただけるでしょう。また、本書に出てくるグラフには、吹き出しコメントを入れてあります。数学は嫌いという人にも、このグラフは何が言いたいのかを理解していただけると思います。
経済学を初めて勉強される人はもちろん、苦手意識をお持ちの人にも読んでいただけるよう、「今までになかった」「今までで一番わかりやすい」経済学の教科書を目指して書きました。この本で少しでも経済学に対して興味を持っていただけたら嬉しく思います。
Prologue 私に経済学を教えて! Part1 3つの市場と3つの経済学 Part2 経済学の思考法 Part3 誰も1人では生きられない Part4 需要と供給のバランス Part5 政府のお仕事 Epilogue 恋も合理的選択でうまくいく!?
木暮太一
こぐれ・たいち
1977年千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て、独立。大学在学中に自主制作した「気軽にはじめる経済学シリーズ」は大学生協や一般書店で累計5万部を突破。現在も、時間がなくても予備知識がなくても、読んですぐに理解できる本当にわかりやすい書籍の執筆に注力している。
著書に、『落ちこぼれでもわかるミクロ経済学の本』『落ちこぼれでもわかるマクロ経済学の本』『マルクスる? 世界一簡単なマルクス経済学の本』 (マトマ商事)、『今までで一番やさしい経済の教科書』(ダイヤモンド社)、『はじめてのFX1年生 儲かる仕組み損する理由がわかる本』(明日香出版社)、『子 供に教える「経済学」』(青春出版社)などがある。