ジョーンズ マクロ経済学I

ジョーンズ,C.I.著/宮川 努訳/荒井 信幸訳/大久保 正勝訳/釣 雅雄訳/徳井 丞次訳/細谷 圭訳
2011年4月29日 発売
定価 3,850円(税込)
ISBN:9784492314104 / サイズ:A5判/ページ数:408


今こそ、経済の発展と成長を考えよう!



なぜ世界には、豊かな国とそうでない国があるのか? どうすれば経済は成長し、豊かな国になれるのか? マクロ経済学において経済成長についての理解は、過去25年間で大いに改善され、最も活発に研究される分野の1つになったにもかかわらず、学部レベルの教科書にはなかなかそれが反映されてこなかった。



本書はこの魅力的な分野の成長についての最近の研究成果を、学部レベルの読者にやさしく解説するという初めての試みであり、マクロ経済学全体を理解する流れの中で経済成長理論を理解することができる。



マクロ経済学における金融政策の最新の成果は、続巻の『ジョーンズ マクロ経済学2) 短期変動編』で学ぶこととなる。


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概要

経済成長の分野で優秀な若手経済学者による初めての大型テキスト。マクロ経済学において最も発展している経済成長と金融政策の最新の成果を、初学者にもわかるように懇切丁寧に解説。

目次

第1章マクロ経済学への招待
  1 マクロ経済学とは何か
  2 マクロ経済学では、重要な問題を
      どのようにして学ぶのか
  3 本書の概観  

第2章マクロ経済の計測 
  1 はじめに 
  2 経済の実態を計測する  
  3 GDPの変化を計測する  
  4 経済活動を国際的に比較する

第3章経済成長の概観  
  1 はじめに  
  2 超長期にわたる成長の事実
  3 近代経済成長  
  4 世界各国における近代経済成長  
    5 成長率に関する有益な特性 
  6 経済成長のコスト  
  7 長期分析のロードマップ  
  8 さらに学びたい人への参考文献案内

第4章生産のモデル 
  1 はじめに 
  2 生産のモデル  
  3 生産のモデルを分析する 
  4 TFPの違いを理解する  
  5 生産のモデルを評価する 

第5章ソロー・モデル  
  1 はじめに  
  2 モデルの枠組み 
  3 価格体系と実質利子率
  4 ソロー・モデルの解を求める
  5 ソロー・モデルの枠組みを使って
      データを観察する 
  6 定常状態について理解する 
  7 ソロー・モデルにおける経済成長 
  8 いくつかの経済的実験 
  9 移行過程の動学原理  
  10ソロー・モデルの意義と限界

第6章アイディアと経済成長 
  1 はじめに  
  2 アイディアの経済学
  3 ローマー・モデル  
  4 ソロー・モデルとローマー・モデル
      を統合する――概要
  5 成長会計 
  6 長期的成長についてのまとめ 
  7 ソロー・モデルとローマー・モデル
      についての補足  
  8 さらに学びたい人への文献案内 
  9 補論:ソロー=ローマー統合モデル
          (数式を使った説明)  
  10日本語版補論 日本の成長会計 

第7章労働市場、賃金,および失業 
  1 はじめに
  2 米国の労働市場  
  3 需要と供給 
  4 失業のバスタブ・モデル
  5 あなたの人的資本はどのくらいの価値か
  6 上昇している教育投資の収益率 

第8章インフレーション
  1 はじめに 
  2 貨幣数量説
  3 実質利子率と名目利子率
  4 インフレの費用 
  5 財政要因による高インフレ
  6 1970年代の深刻なインフレ時代
  7 日本語版 1990年代における日本のデフレ

第9章残された課題 
  1 われわれは何を学んできたか
  2 残された重要課題
  3 むすび 

第2巻「短期変動編」の目次
第1章マクロ経済の計測
第2章 短期分析序説
第3章 世界金融危機とその後の不況
第4章 IS曲線
第5章 金融政策とフィリップス曲線
第6章 安定化政策とAS/AD分析
第7章 世界金融危機と短期モデル:概観
第8章 消費行動
第9章 投資行動
第10章 政府とマクロ経済
第11章 国際貿易
第12章 為替レートと国際金融
第13章 本書のまとめと残された課題

著者プロフィール

チャールズ・I・ジョーンズ
Charles I. Jones

1993年にMITでPh.D.を取得、カリフォルニア大学バークレー校を経て、現在はスタンフォード大学経営大学院(GSB)で教授(STANCO 25 Professor of Economics)を務める。また、NBER(全米経済研究所)のリサーチ・アソシエイトも兼務している。

主要な研究上の貢献は,長期的な経済成長の分野でなされている。とりわけ、1人当たり所得水準の成長をもたらす基礎的要因や、各国間での生活水準に途方もない格差が生じている原因について、理論的・実証的に研究を行っている。最近では、マクロ経済学で培った彼の専門的能力を生かして、増え続ける医療支出と寿命の問題の経済学的分析を手がけている。

著書に、Introduction to Economic Growth, Second Edition,W. W. Norton & Company2002(香西泰監訳『経済成長理論入門』日本経済新聞社,1999年、原書第1版の翻訳)がある.

【訳者】

宮川 努
みやがわ・つとむ

現職:学習院大学経済学部教授
専門分野:マクロ経済学
主な著作・論文:『日本経済の生産性革新』日本経済新聞社 2005年、『長期停滞の経済学』東京大学出版会 2005年、"Intangible Investment in Japan: Measurement and Contribution to Economic Growth" (with Kyoji Fukao, Kentaro Mukai, Yukio Shinoda, and Konomi Tonogi), Review of Income and Wealth, 55, pp.717-736, March 2009.

荒井信幸
あらい・のぶゆき

現職:和歌山大学経済学部教授
専門分野:マクロ経済学、日米経済
主な著作・論文:「日米の設備投資(第1)部)」財務省財務総合政策研究所『フィナンシャル・レビュー』第58号,2001年;"Capital Spending in Japan" in K.H. Oppenlander, and G.Poser,eds., Business Cycle Survey with Special Reference to Pasific Basin Economics, Avebury. 1990

大久保正勝
おおくぼ・まさかつ

現職:筑波大学大学院システム情報工学研究科准教授
専門分野:マクロ経済学、計量経済学
主な著作・論文:"The Intertemporal Elasticity of Substitution: An Analysis Based on Japanese Data", Economica, forthcoming;"On the Intertemporal Elasticity of Substitution Under Nonhomothetic Preferences", Journal of Money, Credit and Banking, Vol.40, pp.1065-1072, 2008.

釣 雅雄
つり・まさお

現職:岡山大学大学院社会文化科学研究科准教授
専門分野:マクロ経済学,日本経済
主な著書・論文:『グラフィック財政学』新世社,2009(共著);"Discretionary Deficit and Its Effects on Japanese Economy", Applied Economics, Vol.37(19), 2005.

徳井丞次
とくい・じょうじ

現職:信州大学経済学部教授
専門分野:マクロ経済学
主な著作・論文:「資本のヴィンテージ、研究開発と生産性-複数資本財の場合の投資スパイク分析」(乾友彦・落合勝昭と共著),『日本経済研究』,No.59, 2008年7月号. "Embodied Technological Progress and the Productivity Slowdown in Japan," (with Tomohiko Inui, and Young Gak Kim), RIETI Discussion Paper 08-E-017, June 2008.

細谷 圭
ほそや・けい

現職:東北学院大学経済学部准教授
専門分野:マクロ経済学、公共経済学
主な著作・論文:『MBAのためのミクロ経済学入門1)・2)』東洋経済新報社,2008,2009(共訳); "Tax Financed Government Health Expenditure and Growth with Capital Deepening Externality", Economics Bulletin, Vol.5, pp.1-10, 2003.