先進国にふさわしい 企業統治のかたちとは?
経済学の標準的なパラダイムである「株主主権型モデル」から離れ、「ステークホルダー型モデル」の視点から、企業のガバナンスやファイナンスを考察した研究書。豊かな先進国にふさわしい企業統治のあり方を模索しながら、下記のような点を分析する。
・ステークホルダー型企業のパフォーマンス・企業価値をどう評価するか
・株主の権利はどの程度強いのが望ましいのか
・現代の企業の取締役会と独立取締役の役割は何か
・企業の資金調達原理はどのようなものか
・銀行との密接な関係にはどのような機能があるか
・企業が経営理念を持つことにどのような意味があるか
第1章 現代社会における企業 第2章 株式会社は株主のために? 第3章 ステークホルダー型モデルと企業価値 第4章 株主主権をいかに抑制するか? 第5章 株主によるガバナンスは必要か? ――従業員の静かなExit 第6章 現代の取締役会の機能と構造 ――ステークホルダーのVoice 第7章 ステークホルダー型企業の資金調達 第8章 銀行中心型金融システムとメインバンク 第9章 経営理念は重要か? 終 章 日本企業をどう評価するか?
広田真一
ひろた・しんいち
早稲田大学商学学術院教授。1991年同志社大学大学院経済学研究科博士課程修了。早稲田大学商学部専任講師、准教授を経て現職。2001年~2003年 イェール大学経営大学院Visiting Scholar。
主な論文に、"Are Corporate Financing Decisions Different in Japan? An Empirical Study on Capital Structure," Journal of the Japanese and International Economies、"Managerial Control inside the Firm," Journal of the Japanese and International Economies(共著)、"Price Bubbles sans Dividend Anchors: Evidence from Laboratory Stock Markets," Journal of Economic Dynamics and Control(共著)、「株主主権は望ましいか?―人的資本企業のモデル分析」『現代ファイナンス』、等。