廃棄物問題とリサイクルの仕組みを鮮やかに描いたロングセラー
経済学で、財や資源が「グッズ」であるのに対して、処理をするのに費用がかかる廃棄物が「バッズ」である。ある人にとっては不要なごみ(バッズ)が、他の人に「とっては必要になもの(グッズ)になることもある。
本書では、現実と経済理論を結びつけて、廃棄物問題とリサイクルを適切に稼働させる仕組みと原理を鮮やかに描いた環境経済学のロングセラーテキストの改訂版である。学生・研究者からビジネスパーソン、実務家まで、経済学を知らない読者にもわかりやすい記述も魅力的。
第1章 グッズの世界、バッズの世界 第2章 動脈産業と静脈産業 第3章 バッズとゼロエミッション 第4章 安定した市場リサイクルの条件 第5章 逆選択とパートナーシップ 第6章 PPP(汚染者支払い原則)と費用負担 第7章 環境保全のトレードオフ 第8章 バッズのマクロ経済学 第9章 環境制約と経済成長 第10章 バッズの管理システム
細田衛士
ほそだ・えいじ
慶應義塾大学経済学部教授。
1953年東京都生まれ。77年慶應義塾大学経済学部卒業。80年同大学経済学部助手、82年同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、87年同大学経済学部助教授を経て、94年より現職。83年英国マンチェスター大学にブリティッシュ・カウンシル・スカラーとして留学。専門は環境経済学、理論経済学。Environmental Economics and Policy Studies誌編集長をはじめ、海外のジャーナルにも投稿多数。環境経済・政策学会前会長。中央環境審議会委員、産業構造審議会廃棄物・リサイクル小委員会委員なども兼務。
主な著作に『環境制約と経済の再生産――古典派経済学的接近』『資源循環型社会――制度設計と政策展望』(ともに慶應義塾大学出版会)、『環境と経済の文明史』(NTT出版)、『環境経済学』(共著、有斐閣)、『はじめての環境経済学』(共訳、東洋経済新報社)などがある。