資本主義という病

ピケティに欠けている株式会社という視点

奥村 宏著
2015年5月15日 発売 在庫なし
定価 1,650円(税込)
ISBN:9784492314623 / サイズ:四六/並/248

内田樹氏(哲学者、武道家)推薦!
「日本ではいま官民をあげて社会制度の『株式会社化』を推進している。国民国家も地方自治体も医療も教育も、株式会社に似せて組織化されねばならないと人々は呼号している。しかし、本書は株式会社が滅びを宿命づけられた、深く病んだシステムであることを教えてくれる。」

平川克美氏(事業家、文筆家、立教大学MBA特任教授)による1万字特別解説も収録。
「わたしは、日本社会の問題の中心に株式会社があると、見抜いた奥村の慧眼にいまさらながら、驚く。奥村のような息の長い研究をすることは稀有のことであり、ほんとうはこのような長期にわたる定点観測だけが暴きだせる真実というものがあるということを、ジャーナリストは奥村に学ぶ必要があるだろう。」

1970年代のオイルショック、2001年のエンロン事件、そして2008年のリーマンショック以降、さまざまな論者によって資本主義は行き詰まっている、危機に陥っている、さらには終焉を迎えようとしている、などと主張されています。
本書では、その原因を資本主義のエンジンである「株式会社」の巨大化・肥大化によるものであると鋭く指摘。
資本主義と株式会社の病因を「格差」「有限責任」「買収、合併」「支配」「実体」「金融資本」「無責任」「全体主義」などをキーワードに明らかにします。
さらに、資本主義と株式会社の先に別の道がないのかも探ります。

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概要

内田樹氏推薦!危機に陥っている資本主義の病因を、そのエンジンを担う「株式会社」の肥大化と鋭く指摘。平川克美氏の特別解説も収録

目次

第1章 格差という病 ―ピケティ『21世紀の資本論』に欠けているもの

第2章 有限責任という病 ―J・S・ミル、アダム・スミス、マルクスの株式会社論

第3章 買収、合併という病 ―巨大株式会社の20世紀

第4章 巨大化という病 ―危機に陥った株式会社

第5章 支配という病 ―会社は誰のものか?

第6章 法人という病 ―会社はヒトではない、モノでもない

第7章 金融資本という病 ―「会社を売買する」とはどういうことか?

第8章 無責任という病 ―企業に社会的責任があるのか

第9章 全体主義という病 ―「会社人間」の時代は終わった

第10章 資本主義という病 -新しい企業システムを求めて

[特別解説] 株式会社の定点観測者 -奥村宏小論 平川克美

著者プロフィール

奥村 宏  【著】
おくむら ひろし

1930年生まれ。新聞記者、研究所員、大学教授を経て、現在は会社学研究家。
著書に、『日本の株式会社』『法人資本主義の運命』『無責任資本主義』『東電解体』『パナソニックは終わるのか』『会社の哲学』(以上、東洋経済新報社)、『会社本位主義は崩れるか』『株式会社に社会的責任はあるか』(以上、岩波書店)、『エンロンの衝撃』『会社はどこへ行く』(以上、NTT出版)、『三菱とは何か』(太田出版)、『会社をどう変えるか』(筑摩書房)、『株のからくり』『経済学は死んだのか』(以上、平凡社)、『会社学入門』『徹底検証 日本の電力会社』(以上、七つ森書館)などがある。