宇沢弘文 傑作論文全ファイル

宇沢 弘文著
2016年10月28日 発売
定価 4,950円(税込)
ISBN:9784492314869 / サイズ:サイズ:A5判/ページ数:436

幸福な社会とは何か、いま改めて問う

ノーベル賞学者の恩師の傑作論文集




宇沢弘文教授は「人間のための経済学」を追求して経済合理主義と闘い、数々の社会問題に自ら取り組みました。

人間的な意味で豊かな社会を構築することをめざしたその思想は、今日いっそう輝きを増しているといえるでしょう。

本書は宇沢教授の手元にあった、膨大なオリジナル原稿を基に構成し、その深遠な思想を伝える傑作論文集です。

ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・E・スティグリッツ教授(コロンビア大学)は、実は宇沢教授のシカゴ大学時代の愛弟子です。

スティグリッツ教授は、2016年に開かれた宇沢教授メモリアル・シンポジウムで講演し、心温まるエピソードを披露しました。その講演の全文も掲載しています。

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概要

多様な社会問題に自ら取り組んだ哲人経済学者宇沢の思想を伝える傑作論文集。愛弟子J・スティグリッツ教授による追悼講演も収録。

目次

(巻頭)「宇沢先生が生涯をかけて教えてくれたこと――人間と地球のために経済学者は何をすべきか」
コロンビア大学教授ジョセフ・E・スティグリッツ
第Ⅰ部 社会的共通資本への軌跡
第Ⅱ部 『自動車の社会的費用』を著す
第Ⅲ部 近代経済学の限界と社会的共通資本
第Ⅳ部 環境と社会的共通資本
第Ⅴ部 医療と社会的共通資本
第Ⅵ部 教育と社会的共通資本
第Ⅶ部 農村とコモンズ
第Ⅷ部 未来への提案、これからの経済学

(全34章)
本書の原稿の掲載先一覧
本書の刊行に当たって 宇沢浩子
 

著者プロフィール

宇沢 弘文  【著】
うざわ ひろふみ

1928-2014年。東京大学理学部数学科卒業、同大学院に進み、特別研究生。1956年スタンフォード大学に移り、同大学経済学部助教授、カリフォルニア大学助教授を経て、シカゴ大学教授。1969年東京大学経済学部教授。その後、新潟大学教授、中央大学教授、2003-2009年同志社大学社会的共通資本研究センター長等を歴任。1997年文化勲章受章。
専門は数理経済学。著書『自動車の社会的費用』(岩波新書、1974年)が当時のクルマ社会に衝撃を与えるなど、現実の経済問題にも精力的に取り組み、水俣病や成田空港問題の解決に力を尽くした。都市、医療、教育、地球温暖化問題などに関しても多くの知見を残した。
『近代経済学の再検討』『近代経済学の転換』『「豊かな社会」の貧しさ』『「成田」とは何か』『日本の教育を考える』『社会的共通資本』『ヴェブレン』『好きになる数学入門』シリーズ(いずれも岩波書店)、『経済学は人びとを幸福にできるか』(東洋経済新報社)など、専門書から一般書まで多数の著書がある。