生命の網のなかの資本主義

ジェイソン・W・ムーア著/山下 範久監訳/滝口 良訳
2021年9月23日 発売
定価 4,180円(税込)
ISBN:9784492315378 / サイズ:四六/上/706

「人新世」か、「資本新世」か、
世界システム論の新次元を切り開いた話題の書

世界の知識人たちが注目! 
気鋭の米環境史学者による主著、待望の邦訳!

斎藤幸平氏(『人新世の「資本論」』の著者)推薦&巻頭解説を寄稿

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概要

「資本新世」の概念を提唱、世界の知識人が注目する米環境史学者の主著、待望の邦訳。【『人新世の資本論』斎藤幸平氏・解説】

目次

巻頭解説(斎藤幸平)
序 章 二重の内部性 自然が問題であるかのような歴史
第1部 二元論から弁証法へ 世界=生態としての資本主義
 第1章 対象からオイケイオスへ 資本主義的世界=生態における環境-制作
 第2章 生命の網における価値
 第3章 単一の物質代謝へ向けて 二元論から資本主義的世界=生態の弁証法へ
第2部 無限の蓄積、歴史的自然
 第4章 生態学的剰余の減少傾向
 第5章 自然の資本化、あるいは歴史的自然の限界
 第6章 世界=生態の危機:革命から体制へ
第3部 歴史的自然と資本の起源
 第7章 人新世か資本新世か? 自然、そして今日の生態的危機の起源について
 第8章 抽象的社会的自然と資本の限界
第4部 安価な自然の興隆と衰亡
 第9章 安価な労働? 時間、資本、そして人間の自然の再生産
 第10章  長い緑の革命 長い20世紀における安価な食糧の生命と時間
結 論 安価な自然の終焉? 資本の世界=生態的限界は資本それ自体である

著者プロフィール

ジェイソン・W・ムーア  【著】
じぇいそん むーあ

米国ビンガムトン大学(ニューヨーク州立大学ビンガムトン校)社会学部教授。
1994年にオレゴン大学で政治学と社会学の学士号を取得後、1997年にカリフォルニア州立大学サンタクルーズ校で歴史学の修士号、2007年にカリフォルニア州立大学バークレイ校で地理学の博士号を取得。スウェーデンのルンド大学リサーチ・フェローなどを経たのち、ビンガムトン大学助教、准教授を経て現職。政治生態学、農業-食糧研究、歴史地理学、環境史、政治経済学などを研究フィールドとする。共著にA History of the World in Seven Cheap Things (Raj Patelと共著、University of California Press, 2018)、編著にAnthropocene or Capitalocene? (PM Press, 2016)がある。


山下 範久  【監訳】
やました のりひさ

1971 年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得退学。現在、立命館大学グローバル教養学部教授。歴史社会学、社会理論、世界システム論専攻。主な著書に『世界システム論で読む日本』(講談社、2003年)、『現代帝国論』(NHK ブックス、2008年)、共編著に『ウェストファリア史観を脱構築する』(ナカニシヤ出版、2016 年)、編著に『教養としての 世界史の学び方』(東洋経済新報社、2019年)、訳書にA・G・フランク『リオリエント――アジア時代のグローバルエコノミー』(藤原書店、2000 年)などがある。

滝口 良  【訳】
たきぐち りょう

1977年生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は文化人類学、現代モンゴル都市研究。主な著書に『近現代モンゴルにおける都市化と伝統的居住の諸相――ウランバートル・ゲル地区にみる住まいの管理と実践』(編著、東北大学東北アジア研究センター、2018年)がある。