「革新と発展」の開発経済学

大塚 啓二郎著
2023年5月17日 発売
定価 3,960円(税込)
ISBN:9784492315514 / サイズ:A5/上/376

著者は、アジアとアフリカの農業発展・工業発展について、常に現地に足を運び、フィールドワークを重ねながら、その理論化をはかってきた。本書は、開発経済学の分野における世界的第一人者である著者のこれまでの研究の成果がすべて詰まった「開発経済学」の集大成の本であり、貧困の根本的な解決に必要な、多くの人が従事できる「まともな仕事」を創出するには何が必要か、について、1つの「答え」を提示する。

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概要

途上国の農業・工業発展について、現地で実態調査を重ねながらその理論化をはかってきた世界的第一人者である著者の研究成果の集大成

目次

第1章 貧困問題の解決を目指す開発経済学
 第Ⅰ部 農業の特性
第2章 農家規模と生産性
第3章 所有権・小作契約・生産性
 第Ⅱ部 製造業の特性
第4章 産業集積の発展パターン
第5章 適正な技術と産業の選択:戦前期の日本の工業化から学ぶ
 第Ⅲ部 技術移転と農業発展
第6章 アジアの緑の革命:稲作技術の国際移転
第7章 アフリカの緑の革命:アジアの稲作技術をアフリカに
第8章 契約栽培と高付加価値農業
 第Ⅳ部 技術移転と工業化
第9章 産業集積の飛躍的発展:アジアの事例
第10章 産業集積の萌芽的発展:アフリカの事例
第11章 海外直接投資と開発途上国の経済発展
 第Ⅴ部 結論
第12章 「革新と発展の経済学」を目指して

著者プロフィール

大塚 啓二郎  【著】
おおつか けいじろう

現職は、神戸大学特命教授、ジェトロ・アジア経済研究所上席主任調査研究員。
1948年東京都生まれ。1971年北海道大学農学部農業経済学科卒業。1979年シカゴ大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。東京都立大学経済学部講師(1980年)、同助教授(1981年)、同教授(1991年)、政策研究大学院大学教授(2001年)を経て、2016年より神戸大学社会システムイノベーションセンター特命教授、兼ジェトロ・アジア経済研究所上席主任調査研究員。2004‐07年国際稲研究所理事長、2009‐12年国際農業経済学会会長、2019年より開発経済学会会長。2010年紫綬褒章、2018年日本学士院会員、2021年瑞宝重光章。国際、アメリカ、アフリカ農業経済学会名誉会員。英文学術雑誌論文146本、英文共編著書27冊、和文共編著書10冊。主要な日本語の著書に、『消えゆく森の再生学』講談社現代新書、1999年;『なぜ貧しい国はなくならないのか』日本経済新聞社、2014年