【編集者コメント】
デフレは、「価格破壊」「停滞」といった言葉と結びつけられ、経済の面ではマイナスのイメージで語られることが多い。
しかし、デフレの時代は、人々は「平和の配当」を享受でき、技術力優位の社会が築かれ、新興国という新たな市場が急拡大していくという意味で輸出立国の日本にとってこの上ない追い風ともなる。また、新技術・新産業の隆盛で、私たちの生活は実質的に豊かになると思われる。たとえば、数年後、電気料金が十分の一程度まで下がり、しかもその安価な電力で自動車を動かせる。物流コストが劇的に下がるため、ものの値段はますます安くなる…といった時代がやって来るかもしれない。インフレ時代の発想さえ捨てられれば、私たちは、デフレがもたらす豊かさを享受することができるのである。
本書では、19世紀後半の「大デフレ」時代を検証しつつ、デフレで生き残る企業の条件を示すとともに、デフレでますます強くなる日本経済について言及。
序 章 デフレ時代の決め手は技術力 第1章 デフレが求めた政権交代 第2章 「平和と安定の時代」がデフレを生む 第3章 デフレは日本再大躍進の大チャンス 第4章 「買い手」の主導するデフレ市場 第5章 日本が世界に示す新しいモデル