内容紹介
2009年秋の政府の「デフレ宣言」以来、デフレこそが日本経済に停滞をもたらしている根本原因であるという認識が広がりつつあります。本書の著者の1人、勝間和代氏(経済評論家)は、日本経済の立て直しには、まずデフレを止めることが必要だと、政治家や国民に対して強く訴えてきました。
本書は、その勝間氏が、イェール大学教授浜田宏一先生から経済学の特別講義を受けたときの模様を収録した講義録です。
浜田先生と言えば、東京大学の法学部と経済学部を卒業し、在学中に司法試験に合格し、現日本銀行総裁の白川方明氏に経済学を教え、いまでもアメリカの名門イェール大学経済学部で教鞭をとり続けている、まさに伝説の教授です。もう1人の先生として、早稲田大学の若田部昌澄教授にも、歴史の専門家として昭和恐慌と現在の比較などを講義いただきました。
浜田先生は地球の裏側で、いつも日本の経済失政を憂い、教え子である日本銀行のスタッフたちに警告と助言を発してきました。本書に収録した白川方明・日本銀行総裁への公開書簡も、そのような警告と助言の1つです。
浜田先生は、勝間氏に教えることを通して、広くあまねく多くの人々に経済学の知見を伝えようとしました。若田部先生も、昭和恐慌が国民に与えた苦しみを繰り返さないようにするにはどうしたらよいかを真剣に説いています。
本書を手にとった方は、是非最後まで読みとおしていただき、得られた知見を1人でも多くの方に伝えてください。日本経済を長期停滞から救うのは、私たち国民1人ひとりの意思なのです。
第1章 デフレって何だろう 第2章 こうすればデフレは止められる 第3章 なぜインフレターゲットが必要なのか 第4章 「伝説の教授」はこうして経済学を学んだ 第5章 歴史に学ぶ「反デフレ」の闘い ――大不況・昭和恐慌の教訓 第6章 デフレ脱却後、日本経済はこうなる 終 章 これが「本当の経済学」だ!