これから日本は4つの景気循環がすべて重なる。

ゴールデン・サイクルⅡ

嶋中 雄二著
2013年12月13日 発売 在庫なし
定価 1,760円(税込)
ISBN:9784492395998 / サイズ:四六/上/304

 「ゴールデン・サイクル(黄金循環)」とは、短期、中期、長期、超長期の4つの景気循環のベクトルがすべて上向きになる状況を言います。著者である嶋中雄二氏ご自身が命名した言葉です。キッチン・サイクル(短期、在庫投資循環)とジュグラー・サイクル(中期、設備投資循環)が2012年に谷を付け、クズネッツ・サイクル(長期、建設投資循環)とコンドラチェフ・サイクル(超長期)がそれぞれ2010年と2001年に谷を付けて、現在は4つの波がすべて上昇局面に向かっているのです。
 過去において、わが国でゴールデン・サイクルが発生したのは、①日露戦争時の1904~05年、②第1次世界大戦時の1916年、そして第2次世界大戦後に入り、③高度成長期における神武景気時の1957年、④岩戸景気時の1960~61年、⑤いざなぎ景気時の1967年の5回しかありません。日露戦争時から神武景気時までに経過した52年間と同様に、神武景気時から56年を経てやって来た今回のゴールデン・サイクルは、あたかも伊勢神宮と出雲大社の同時遷宮のように、私たち日本人に久々の夢と希望を与えてくれるものです。
 著者によれば、今後の10年間でゴールデン・サイクルが、2013年からの景気の盛り上がりを含めて計3回やってきます。もちろん、今更
、高度成長の到来を願ったところで、そんな夢が叶うことはありえないでしょう。しかし、あの快進撃を可能にした日本人の前向きな姿勢には、今日の時代の私たちも参考になる点があることは確かです。アベノミクスによって、デフレの淵から再び立ち上がった日本経済の「再チャレンジ」の物語には、実はまだまだ続編があり、場合によっては、歴史的な勃興期につながる可能性も秘めているのです。
 本書は、長く続いた低成長とデフレによって、現状を決して抜け出せない、構造的で宿命的な状況であると認識しつつあった多くの日本人の諦めの気持ちに対して挑戦し、もっと明るい将来が待ち受けていることを示そうとするものです。


商品を購入する

概要

2013年以降の日本に短、中、長、超長期の景気波動が同時に上昇するゴールデン・サイクル到来。いざなぎ景気以来の神風が吹く。

目次

プロローグ 遷宮と五輪と黄金循環
第1章 「ゴールデン・サイクル」再び
第2章 大底を打った、世界と日本のコンドラチェフ・サイクル
第3章 バブル期以来の上昇期を迎えた日本のクズネッツ・サイクル
第4章 戦後7番目の「拡張優勢」局面に入ったジュグラー・サイクル
第5章 第14、15循環の基準日付とキッチン・サイクル
第6章 もっと金融緩和を~異次元緩和への助走
第7章 アベノミクスと共に浮上する日本経済
第8章 ゴールデン・サイクル下の日本経済の姿
エピローグ 2020年に夢をのせて

著者プロフィール

嶋中 雄二  【著】
しまなか ゆうじ

1955年東京生まれ。78年 早稲田大学政治経済学部卒業、三和銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)勤務(83年退職)後、早大大学院経済学研究科修士課程修了。日本経済研究センター、三和総合研究所、UFJ総合研究所、三菱UFJリサーチ&コンサルティングを経て、07年より三菱UFJ証券(現在の三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に移る。現在は、参与・景気循環研究所長。内閣府景気動向指数研究会委員。景気循環学会常務理事。早大大学院経済学研究科非常勤講師。三菱UFJリサーチ&コンサルティング客員研究員。専門分野は、景気循環論をベースとした内外マクロ経済・金融の分析・予測。著書に、『ゴールデン・サイクル』、『日本経済の油断』、『メジャー・サイクル』、『複合循環』、『実践・景気予測入門』(いずれも東洋経済新報社)、『太陽活動と景気』、『先読み!景気循環入門』(いずれも日本経済新聞出版社)多数。共訳書に、『ハイエク全集Ⅰ‐1貨幣理論と景気循環・価格と生産』(春秋社)がある。