世界はコロナとどう闘ったのか?

パンデミック経済危機

アダム・トゥーズ著/江口 泰子訳
2022年1月21日 発売
定価 3,080円(税込)
ISBN:9784492396650 / サイズ:四六/上/496

2020年、コロナ・ウイルスは世界経済、国際関係、そして地球上のほぼすべての人の日常生活を破壊し、何億人もの人々が職を失い、死の恐怖におびえた。

かつて世界経済全体が数週間のうちに20%も縮小したことはなく、世界経済の95%が同時に苦境に立たされたことはなかった。
ウイルスは私たちの健康だけでなく、経済をも猛烈な勢いで攻撃し、今や世界中のいかなる国も、ビジネスや金融のグローバルな網目から逃れることはできないのだ。

政治家や中央銀行、製薬会社など、さまざまな個人や組織の思惑や利害関係と、中国や欧州、イギリス、アメリカといった世界各国がとった政策とその帰結を克明に追いつつ、中国の台頭やトランプの暴走、ワクチンの開発競争や中央銀行の施策、政府による巨額の財政出動、世界銀行などの国際機関の動きまで、コロナ危機に見舞われた世界を俯瞰する。

2008年の経済危機を描いた『暴落』で高い評価を得た歴史家が、金融、政治、ビジネス、そして人間模様の物語を巧みに織り交ぜながら、すべてが変わってしまった2020年を克明に描き、グローバル化した経済や金融の世界を読み解く、現代世界を理解するための必読書。



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概要

2020年、コロナはいかに世界経済を破壊し、各国の政府は未曾有の危機とどう闘ったのか? 驚くべき克明な記録と展望。

目次

はじめに

第I部 疫病と現代世界

第1章 組織化された無責任
第2章 武漢における感染爆発
第3章 グローバル化した世界の悪夢
第4章 ロックダウン

第II部 類を見ないグローバル危機

第5章 自由落下する経済
第6章 金融恐慌を回避せよ
第7章 生活を守れ
第8章 新興市場国の新たなツールキット

第III部 混乱と安定

第9章 EUの復興基金
第10章 勢いを増す中国
第11章 アメリカ国内の危機

第IV部 政治の役割
第12章 ワクチンの開発競争
第13章 債務救済
第14章 蛇口が開いたままの先進経済国

結論

謝辞
原注
索引

著者プロフィール

アダム・トゥーズ  【著】
あだむ・とぅーず

1967年ロンドン生まれ。コロンビア大学歴史学部教授。ケンブリッジ大学キングス・カレッジで経済学の学士号を、ロンドン・スクール・オブ ・エコノミクスで博士号を取得。ケンブリッジ大学で教鞭をとったのち、イェール大学のバートン・M・ビッグス教授。2015年から現職。著書に『ナチス 破壊の経済』『暴落』など。


江口 泰子  【訳】
えぐち たいこ

翻訳家。法政大学法学部卒業。編集事務所、広告企画会社勤務を経て現職。訳書に『結局、自分のことしか考えない人たち』(草思社)、『クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界』(講談社)、『ブレグジット秘録』(光文社)、『140字の戦争』(早川書房)、『GENIUS LIFE(ジーニアス・ライフ)』(東洋経済新報社)、ほか多数。