不安定化する中国

三浦 有史著
2010年9月28日 発売
定価 3,520円(税込)
ISBN:9784492443743 / サイズ:サイズ:A5判/ページ数:304


格差に揺らぐ中国。その実態をあぶり出す。 



所得格差だけでなく、医療格差、教育格差、年金格差による階層化がますます進む中国。これらの格差が経済成長のボトルネックとなるのではないか?



急速な経済成長にともなう社会構造の変化に制度や政策が対応していないために社会は不安定の度合いを増し、成長の持続性が損なわれているのではないか。



中国社会・経済が抱える問題点を社会保障や社会階層という視点を取り込んで複合的に捉えることにより、中国の経済成長の持続性を高めるための課題について検討する。


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概要

中国における所得格差、教育、医療、年金等の世帯や個人レベルに焦点を当てて「成長へのボトルネック」をあぶり出し、発展とともに階層化している中国の中長期的な成長持続性を検証。

目次


第1章 貧困削減は進んだか
第2章 所得格差――その水準と評価
第3章 医療――「看病難、看病貴」の行方
第4章 教育――「人口大国」から「人材強国」へ変われるか
第5章 年金――「未富先老」の不安
第6章 格差と社会不安定化
第7章 個別課題――医療、教育、年金
第8章 全体課題――再分配のメカニズム
第9章 ふたつのシナリオと当面のリスク

 

著者プロフィール

三浦有史
みうら ゆうじ

1964年島根県生まれ.1989年早稲田大学社会科学部卒業.1989年日本貿易振興会経済情報部情報計画課.1991年同会海外調査部アジア大洋州課.1993年同会ハノイ事務所所長.1998年同会企画部事業推進担当(アジア).1999年より株式会社さくら総合研究所,環太平洋研究センター.2001年4月より株式会社日本総合研究所調査部,環太平洋戦略研究センター主任研究員.

主な著書に、『ODA―日本に何ができるか』(共著)中公新書、2003年、「ASEANの内部経済格差」伊藤隆敏・財務省総合政策研究所編著『ASEANの経済発展と日本』日本評論社、2004年、「市場統合と日本の役割」渡辺利夫編著『日本の東アジア戦略』東洋経済新報社、2005年、 「経済連携下の援助政策――ASEANにおける競争と支援のバランス」国際協力銀行開発金融研究所『グローバリゼーション下のアジアと日本の役割』2006年など。