持続的な成長に向けて、何が求められているのか
東アジア経済は欧米諸国へのキャッチアップにより経済成長を遂げてきたが、今後は環境問題等、経済成長の質が問われるようになる。
アジア通貨危機の際に問題となったガバナンスの問題については、改善はみられるものの完全な解決にはいたっていない。これらの諸問題はどうのように解決できるのだろうか? また東アジアが持続的な経済発展をしていくためには何が必要なのだろうか? 日本はそのなかでどのようにすれば長期的にリーダーシップを発揮し、どのような役割を果たしていけばいいのだろうか?
本書は、東アジアにおけるガバナンス、経済成長の質とグローバリゼーションとの関係などの問題を主軸に、今後の東アジア経済の持続的発展の方向性、およびそこで果たさなければならない日本の役割について、経済・政治・歴史・経営等の幅広い分野から検討し、政策提言をするものである。
第1章 東アジアにおける国際関係のダイナミクスを見る視点 第2章 東アジアにおける「グローバル・コモンズ」のガバナンス 第3章 成長の質をどう確保するか 第4章 頑健な地域通貨協力に向けて 第5章 東南アジア金融システムの転換と 我が国の民間金融部門の役割 第6章 東アジアにおける製品開発と人材マネジメント 第7章 アジアの長い20世紀 第8章 日本と朝鮮の歴史認識 第9章 東アジアの安定と文化政策 第10章 東アジアの安定した発展と日本の役割 終 章 東アジアの未来に向けて