欧州リスク

日本化・円化・日銀化

唐鎌 大輔著
2014年7月25日 発売 在庫なし
定価 1,760円(税込)
ISBN:9784492444078 / サイズ:四六/並/264

債務危機の次に来る問題とは何か?
日本化する経済、円化するユーロ、日銀化するECB……、
欧州は今後、デフレ、大停滞に陥る可能性がある。
わが国屈指のECBウォッチャーで、欧州の金融政策、マネー動向を知る著者による欧州経済・金融の展望書。

不況下にもかかわらず進む通貨高、伸びない貸出、盛り上がらない国内の消費・投資、積み上がる経常黒字、為替相場に振り回される金融政策、そして上がらない物価等、客観的に見ても、2013年以降のユーロ圏はかつての日本と重複する経験が多い。なお、金融危機や債務危機の影響とは別次元の問題として人口減少という共通点もある。ユーロ圏の日本化シナリオはまだ世の中でコンセンサスが得られているものではない。(中略)しかし、どちらに振れるか分からない過渡期だからこそ、丁寧に日本との共通点を整理し、今後の考察に活かす姿勢が重要なのではないかと思う。ひとたびデフレに転落すれば、その粘着性は強く、再浮上が難しいというのが日本の教訓である。(「はじめに」より抜粋)

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概要

「日本化」する欧州経済・財政、「円化」するユーロ……日本No.1の「ECBウォッチャー」が読み解く、欧州経済の動向と行方。

目次

第1章 日本化する欧州、円化するユーロ
      ~7つの共有体験で振り返る日本化への道
     ①不況下の通貨高
     ②貸出鈍化
     ③民間部門の貯蓄過剰
     ④経常黒字蓄積
     ⑤金融政策の通貨政策化
     ⑥人口減少
     ⑦上がらない物価

第2章 通貨ユーロが下がらなかった理由
      ~共通通貨圏に備わる防波堤

第3章 これからのユーロ圏が辿る道
      ~4つの教訓

補 論 ドル/円相場の見通し

著者プロフィール

唐鎌 大輔  【著】
からかま だいすけ

2004年慶應義塾大学経済学部卒業後、日本貿易振興機構(JETRO)入構、貿易投資白書の執筆などを務める。日本経済研究センターへ出向し、日本経済の短期予測なども担当。その後は欧州委員会経済金融総局(ベルギー)に出向し、年2 回公表されるEU 経済見通しの作成やユーロ導入10周年記念論文の執筆などにも携わった。2008年10月より、みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)国際為替部で為替市場を中心とする経済・金融分析を担当。金融専門誌J-MONEY(旧EUROMONEY)誌が行った2012年第22回東京外国為替市場調査のファンダメンタルズ分析部門ではランキング1位。2013年同調査では2位。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。