データで読み解く中国の未来

中国脅威論は本当か

川島 博之著
2015年10月16日 発売 在庫なし
定価 2,200円(税込)
ISBN:9784492444184 / サイズ:四六/並/356

【水野和夫氏・推薦】
中国の未来は、アジアの覇権国家か、普通の開発途上国か?
高い評価を得た『データで読み解く中国経済』の続刊・未来分析編、遂に刊行!

 米国が覇権を確立して以降、中国はもっとも手ごわい相手である。だから、対峙することに躊躇している。日本の保守系メディアが言うように、オバマ政権が弱腰だからではない。共和党政権でも中国と真正面から対決することはないだろう。
 中国は太平洋を二分して、西側を中国のテリトリーとする案を米国に提案している。そこに「中華帝国」を作る。10年のスケールで考えれば、米国はその提案を飲む可能性が高い。米国と中国の妥協が成立すれば、日本はアジアで孤立する。日本は20世紀に米国と安保条約を結んだことによって大きなメリットを受けた。だが、21世紀にあまりに米国を頼っていると、米国と中国が話をつけた場合に、大きなデメリットを被ることになる。この辺りのことは、もっと真剣に議論しておいたほうがよい。(本文より)

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概要

中国研究者たちの間で評価の高かった『データで読み解く中国経済』の未来版。未来予測のプロが綴るこれから20年の中国論。

目次

第1章 中国に競り負ける日本
     ~データで見る「世界の工場」の現状と未来

第2章 安い石炭を使うから強い
     ~歪んだコスト競争力の源泉

第3章 格差があるから強い
     ~中国の成長は簡単には止まらない

第4章 「中進国の罠」にはまる中国
     ~農民国家が直面する宿命

第5章 不動産バブルの実態と今後
     ~バブルはゆっくりと崩壊する

第6章「中華帝国」の野望
     ~中国脅威論をデータで分析する

終章 中国の未来

著者プロフィール

川島 博之  【著】
かわしま ひろゆき

東京大学大学院農学生命科学研究科准教授。
1953年東京都生まれ。1977年東京水産大学卒業、1983年東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得のうえ退学(工学博士)。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、ロンドン大学客員研究員などを経て、現職。主な著書に『世界の食料生産とバイオマスエネルギー』(東京大学出版会、2008年)、『「食糧危機」をあおってはいけない』(文藝春秋、2009年)、『農民国家 中国の限界』(東洋経済新報社、2010年)、『「作りすぎ」が日本の農業をダメにする』(日本経済新聞出版、2011年)、『「戦略」決定の方法』(朝日新聞出版、2012年)、『データで読み解く中国経済』(東洋経済新報社、2012年)がある。