「経済分析の見方・使い方を変える1冊です」
統計を活用し的確な経済分析を行うためには、データから季節性を除去する季節調整が必須の技術である。しかし、その重要性にも関わらず、季節調整を行うための技術や方法論は属人的なノウハウの伝承に頼っているのが実情である。
季節調整は計量経済学のなかの時系列分析の一部として専門的に扱われ、学部学生や実務家向けのわかりやすい実用的、実践的な入門書が存在しなかったゆえに敷居が高い状況にとどまっていた。
本書では、初心者でもわが国標準モデルの「X-12-ARIMA」を用いた季節調整法が使えるようになる手順やノウハウが丁寧に解説されている。[理論編]は、季節調整についての入門となっており、経済分析における季節性が何であるかを示し、それへの対処法が紹介されている。[構造編]は、移動平均法から順を追って季節調整の構造が解説される。[実務編]では、「X-12-ARIMA」により季節調整を行う手順を、具体例を交えながら説明する。
はじめて季節調整を用いようとする経済統計を扱う実務家(官庁、地方自治体、民間シンクタンク)、金融機関担当者、学生(学部レベル)などには必携書。
本書197ページで紹介している「祝日数とユーザー定義変数」のデータと
付録-E(239ページ)の解答例は、本ページからダウンロードすることができます
第1章 経済分析における季節性と対処法(理論編) 第2章 季節調整法の仕組み(構造編) 第3章 X-12-ARIMAによる季節調整の手順と実例(実務編)
有田帝馬
ありた・てつま
1998年東京大学大学院理学系研究科修了.同年日本銀行入行.システム情報局,調査統計局,国際局に所属.統計,経済分析等を担当.2006年財団法人国際金融情報センターへ出向.2008年より日本銀行大阪支店勤務の後,2009年内閣府政策統括官(経済財政分析担当)付上席政策調査員.2011年より日本銀行金融機構局,現在に至る.