マイクロソフトで学んだこと、マイクロソフトだからできること。

樋口 泰行著
2011年4月29日 発売
定価 1,760円(税込)
ISBN:9784492502167 / サイズ:サイズ:四六判/ページ数:240



米国発グローバルカンパニーである日本マイクロソフトの経営から、

日本発グローバルカンパニーを目指す企業にとって、
学ぶべきことが多く見えてくるだろう――。


 ファーストリテイリング会長兼社長 柳井 正




なぜマイクロソフトは世界最大のコンピューター・ソフトウェア会社として成長を続けているのか。

また樋口社長が、どのようにして日本法人の経営を変革してきたのか。

これからのコンピューティングの世界はどのように進化していくのか。



3社目の「社長業」に挑戦している著者がマイクロソフトでのこれまで4年間の歩みとコンピューティングがもたらす未来について語る初めての本。



著者は、ウィンドウズ7の市場普及やクラウドコンピューティングの展開をはじめとするプロジェクトで、社員のモチベーションを高め、日本の顧客やパートナー企業の懐に入り込むリーダーシップを発揮している。



日本のITインフラを世界標準並みに整備して、その上で顧客それぞれが日本企業らしい独自の戦略を構築できるようにする。マイクロソフトの力を活かして日本という国の役に立ちたい、日本のこれからの発展に貢献していきたい。そのような思いで、マイクロソフトを日本の会社として根づかせている取り組みから、プロ経営者がもつべき志と仕事力が学べる。

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概要

樋口社長がマイクロソフトでの3年間の取り組みとコンピューティングの未来について語る初の本。日本の顧客の信頼を勝ちとり、業績向上につなげているプロ経営者の仕事力が学べる。

目次


第1章 "自分の役割"がある。マイクロソフトという選択
自分には合わない会社ではないか、と感じていた これほど成功した会社が危機感を持っている 日本のために役に立てるかもしれない まずはCOOとしてビジネスの詳細を猛勉強 1年で約300社の顧客・パートナー企業を訪問 品質問題に対処するために、CQOを設置 侃々諤々の議論ができるミーティング 世界で一番たくさんメインフレームが動いている国 何より大切なのは、長期的に正しいことをしていくこと
第2章 驚きの連続。"世界最大のベンチャー"企業
私利私欲のために働いていたら、こうはならない 「優先順位が高いのは?」「全部だ」 壮大なビジョンがあるから、頑張ることができる 1万4000人の社員が世界から集まる「MGX」 「ウィンドウズ7」完成の瞬間を社員の前で実況 トップも部門長も、成績表をオープンにされる すべてがサーベイによって、数値化されている 1国につき丸1日、戦略などを討議するレビュー 本社の幹部が、日本法人の細かなことまで把握している 日々の経営に追われるだけで終わらない仕組みがある 全世界から幹部が集まるワールドワイドレビュー 利益を求めるのは、新たな技術への投資のため 社員のモチベーションを高めるマネジメント
第3章会社は変わる。"日本法人の経営"に挑む
共鳴しやすい日本語のメッセージを作り、発信する 外資系といえども、ビジネスを行うのは日本の地 当たり前のことを文字にした「ビジネス行動規範」 360度評価でも、見えてこない姿がある 現場の空気が感じ取れる環境をつくる 組織間の「のり付け」はトップが行わなければならない 数十社からマイクロソフトへの不平不満を浴びる 米国本社も注目したCQOの新設 3つの品質を定義することにした 「売れていた時代」から「売る」時代へ NECによるSQLサーバー採用はなぜ実現したか トップ会合から富士ソフトとの協業へ 日本最大のスケールとなった東芝のエクスチェンジ導入 競合だったはずのサイボウズとも連携 関係が悪化していた企業を訪問する  コストをかけてでも実行する社員総会 じっくり作り上げてきた土台が、花開いた2010年度 すぐにボイスメールにつなげてしまっていいのか 大手町テクノロジーセンターを開設 次世代リーダーを育成するハイポテンシャルプログラム リーダーは「人間力」をこそ、磨かなければならない 良いときも厳しいときも社会貢献には力を入れる 情報通信技術の活用支援で県知事から熱い言葉 先進国から大きく後れている日本のITリテラシー 正しいことをやっていれば、必ず石は転がり始める
第4章 最大のイベント"ウィンドウズ7"プロジェクト
秋葉原で数千人とともにカウントダウン 開発手法を劇的に変えたスティーブン・シノフスキー 6カ月間、コードは書かずに、ヒアリングせよ 全世界が開発に参加するウィンドウズ 操作性が良く、品質が良く、安定していたベータ版 社員2500人が全員でバグ出しを行う 「ワン・マイクロソフト」で社員の気持ちがひとつになる PCやパッケージソフトの対応版がなければならない 互換性について安心してもらうための投資を決断 日本のパソコン7500万台にインパクトを与える アクセシビリティ向上にも挑んだウィンドウズ7 日本ならではの取り組み「PCでの地デジ対応」
第5章 マイクロソフトだから語れる"コンピューティングの未来"
次に訪れる大きな変化はクラウドコンピューティング IT資産を「所有」することから、「利用」する方向へ ウィンドウズのソフトやデータがそのまま移行できる 自社運用とクラウドをバランスよくミックスさせる 富士通との協業でクラウド戦略を強化 6つの分野の研究に取り組んでいる 新しい言語の開発、ペタ、エクサ時代の情報処理の方法 エイズワクチンの開発につながるような解析も Xboxでお目見えする画期的技術「モーション・センシング」 パートナー企業との連携によってこそ、世の中は変えられる 売り上げのほぼすべては、パートナー企業から入ってくる これからの日本の発展に、貢献していきたい

著者プロフィール

樋口泰行
ひぐち・やすゆき

日本マイクロソフト代表執行役社長。

1957年兵庫県生まれ。80年大阪大学工学部電子工学科卒業。同年松下電器産業(現パナソニック)入社。91年ハーバード大学経営大学院(MBA)卒業。

92年ボストンコンサルティンググループ入社。94年アップルコンピュータ入社。97年コンパックコンピュータ入社。2002年日本ヒューレット・パッカード(日本HP)との合併に伴い、日本HP執行役員インダストリースタンダードサーバ統括本部長。

03年同社代表取締役社長就任。05年ダイエー代表取締役社長就任。07年3月マイクロソフト代表執行役兼COO、08年4月同代表執行役社長就任。2011年2月日本マイクロソフトに社名変更。

著書に『「愚直」論』、『変人力』(いずれもダイヤモンド社)がある。