20世紀最高の知性の遺産
現代のビジネス・リーダー すべてに贈る。
●本書はクレアモント大学院大学における連続講義を手際よくまとめたものである。いずれも、マネジメントやリーダーシップといった、ともすればビジネスに限定されがちな語彙を広い文脈でとらえ、ドラッカーのものの見方・考え方を斬新に現代に適用しようとのきわめて野心的な知的姿勢が際だっている。現代の教養たるマネジメントをリベラル・アーツの観点から涵養するにあたり、本書にまさる入門書はない。ビジネスの世界のみならず、知識社会に生きる万人が学ぶべき書物である。――野中郁次郎(一橋大学名誉教授)
●われわれがこの一書を編み上げたのも、つまるところ、個や組織、社会にあって、凡庸に満足せず、卓越した「違い」を築いてほしいと心から願うためである。本書に学ぶことで、日本の読者諸賢におかれても、さらにドラッカー教授の知的遺産を自らの活動領域で独自に展開する足がかりが得られるものと確信する。――ジョゼフ・A・マチャレロ(クレアモント大学院大学ドラッカー・スクール教授)
●組織、政府、一人ひとりの人間が直面する問題にドラッカーの思想をいかに適用するかを知るうえで本書にまさるものはない。同時に、ビジネス・スクールが一見して多様な科目を一つの哲学のもとに統合する道を探るうえでも本書にまさるものはない。私自身、ドラッカー・スクールに身を置いたことのある身として、本書では、これらのことのすべてが実現されていることを知っている。――チャールズ・ハンディ(ドラッカー・スクールのビジティング・スカラー、経営思想家)
●何よりもフレームワークが重要だ。スキルなどはそれに比較すれば取るに足りない。フレームワークの内容をどう充実させるか、そのための仕事が必要である。そして、その問題と最も深い関係性を持つのが、マネジメント教育である。最近そのことに気づく人が増えている。大学や研究機関でドラッカーに注目するところが増えている。――上田惇生(ドラッカー学会代表)
推薦の辞――知識社会のリベラル・アーツ (野中郁次郎) 日本版への序文――ドラッカーとその他大勢を分けるもの (ジョゼフ・A・マチャレロ) 序 文 (チャールズ・ハンディ) 第1章 教養としてのマネジメント (カレン・E・リンクレター/ジョゼフ・A・マチャレロ) 第2章 ドラッカーならば何と言うだろうか ――政府と企業と非営利組織の世界で起こっていること (アイラ・ジャクソン) 第3章 知識時代のリーダー ――脱「統制」のマネジメント(クレイグ・L・ピアース) 第4章 企業の目的とは何か (リチャード・R・エルスワース) 第5章 企業戦略の適否診断 (ビジャイ・サテイ) 第6章 ソーシャルセクターの世紀 (サラ・スミス・オー) 第7章 「すでに起こった未来」の探索 (山脇秀樹) 第8章 知識労働者のためのセルフ・マネジメント (ジェレミー・ハンター/J・スコット・シェラー) 第9章 ドラッカー・マーケティングの原点 ――「顧客の創造」を考える (ジェニー・ダロック) 解説に代えて――今、ドラッカーを学ぶ意味 (上田惇生)
クレイグ・L・ピアース
Craig L.Pearce
クレアモント大学院大学ピーター・F・ドラッカー&マサトシ・イトウ・スクール教授(マネジメント担当)。Ph. D. (メリーランド大学)。「シェアード・リーダーシップ」についての一連の研究は『ウォール・ストリート・ジャーナル』などでも取り上げられた。
ジョゼフ・A・マチャレロ
Joseph A,Maciariello
クレアモント大学院大学ピーター・F・ドラッカー&マサトシ・イトウ・スクール教授(マネジメント担当)。ドラッカー・インスティテュート・リサーチ・ディレクター。Ph. D. (ニューヨーク市立大学)。『ドラッカー 365の金言』『プロフェッショナルの原点』など多数のドラッカー関連著作がある。
山脇秀樹
やまわき ひでき
クレアモント大学院大学ピーター・F・ドラッカー&マサトシ・イトウ・スクール教授(コーポレート・ファイナンス等担当)、学部長。Ph. D. (ハーバード大学)。著書に、Japanese Exports and Foreign Direct Investment: Imperfect Competition in International Markets, Cambridge University Pressなどがある。
上田惇生
うえだ あつお
ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授、ドラッカー学会代表。
慶應義塾大学経済学部卒業。経団連会長秘書、国際経済部次長、広報部長、ものつくり大学教授を経る。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされ、主要著作のすべてを翻訳。「ドラッカー名著集」(全12作品15巻、2006-2008)を編纂。他の訳書にエリザベス・H・イーダスハイム著『P・F・ドラッカー――理想企業を求めて』ほか、著書に『入門ドラッカー――万人のための帝王学を求めて』『ドラッカー 時代を超える言葉――洞察力を鍛える160の英知』(いずれもダイヤモンド社)がある。
小林 薫
こばやし かおる
産業能率大学名誉教授、国際経営評論家、ドラッカー学会理事。
東京大学法学部卒業、米国マンハッタン大学経営学部にフルブライト留学。興亜石油、日本能率協会を経て、産業能率大学教授。『1分間マネジャー』シリーズ(ダイヤモンド社)、『ドラッカーが語るリーダーの心得』(青春出版社)、『ビジネス英語の落とし穴』(丸善)など多数の著・訳書がある。
藤島秀記
ふじしま ひでき
現在、淑徳大学大学院客員教授(国際経営)、クリエイティブ・パートナーズ代表、ドラッカー学会理事。
慶應義塾大学経済学部卒業。ドラッカー博士とは1969年、当時ダイヤモンド社で編集者として『断絶の時代』を担当して以来、他界3 カ月前まで親交があった。ドラッカーに関する著作、研究論文多数。
大木英男
おおき ひでお
㈱クロス・マーケティング顧問、ドラッカー学会理事。
京都大学文学部卒業。㈱CPPを代表取締役、早稲田大学大学院客員教授などを経る。著書に『クライシス・マーケティング』(ダイヤモンド社)、『マーケティング部』(日本能率協会マネジメントセンター)等。
高木直二
たかぎ なおじ
翻訳家。元早稲田大学理事、現早稲田大学社会連携研究所客員研究員。
早稲田大学第二文学部卒業。訳書に、『去年を待ちながら』(共訳、東京創元社)、『裁くのは誰か?』(東京創元社)、『大学経営 起死回生のリーダーシップ』(東洋経済新報社)がある。早稲田大学在職中、教育分野の産学連携コンソーシアム「デジタルキャンパスコンソーシアム」を設立し、各種プロジェクトを運営。その経験をもとに『大学は「プロジェクト」でこんなに変わる』(東洋経済新報社)を発表。
森里陽一
もりのさと よういち
大学教員、編集者、翻訳家。
早稲田大学政治経済学部卒業。経済系出版社編集部に勤務。専門は社会情報学。経済社会を生態学的に把握する観点から、技術革新、顧客創造、ネットワーク等に関する研究・実践を行う。ドラッカーに関する論文多数。