【内容紹介】
4つのP(プロダクト、プレイス、プライス、プロモーション)によるマーケティング戦略の分析や、広域の業界構造分析法、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)による全社戦略の分析など、戦略分析手法のスタンダード・キットを用いて、2009年を象徴する日本企業を分析する。
2009年はリーマンショックのどん底から回復してきた1年間であった。この間、他のアジア諸国と較べると回復の力が弱く、ゆっくり回復してきたという状況である。
本書では、第1部でマクロ環境の特徴とその中での企業横断的な戦略の特徴を概観した後、第2部で個別企業・産業の分析が行なわれる。特に好調であった「ユニクロ」「餃子の王将」をマーケティング戦略の題材として選び、その好調の背後にある戦略的特徴を考察する章が盛り込まれている。また、2009年から普及速度が加速してきたハイブリッド車や電気自動車についてじっくり考えるために、その業界構造を検討し、果たしてどのプレーヤーが将来的に儲かる可能性が高いのかを考える章が続く。これが広域の業界構造分析法の適用例である。さらに、PPMの適用例として、リーマンショックにもそれほど大きな影響を受けずに好調を持続しているユニ・チャームを選び、同社の国際戦略をPPMの視点から読み解く章が置かれている。いずれも2009年の経営戦略を振り返る場面で重要なポイントとなる企業・産業だと思われる。
序 章 最悪から小康へ 第I部 2009年におけるマクロ環境の変化と 企業の戦略的打ち手 第1章 2009年におけるマクロ経済環境の特徴 第2章 2009年の企業戦略の分析 第II部 日本企業の戦略課題 第3章 ユニクロ: ライフサイクルを繰り返すマーケティング戦略 第4章 餃子の王将: 異質なターゲットの吸収 第5章 プリウスVSインサイト: 製品ラインアップ戦略からの分析 第6章 EV化に直面する自動車産業: 広域の業界構造分析による 利益ポテンシャル変化の推測 第7章 ユニ・チャームの全社戦略: 優れたポートフォリオ・マネジメント