カイゼンを徹底しながら
イノベーションを起こす!
事業のライフサイクルを考えてみると、誕生から成長、成熟を経て衰退を迎える。誕生から成長の期間が「攻め」であり、その代表がイノベーションである。成熟から衰退を「守り」と考えると、その代表がカイゼンである。
事業のライフサイクルは、創業期・成長期は攻めるという行動をとり、成熟期・衰退期は守るという行動をとるのが普通であり、攻守の切り替えは急にはできない。しかし、事業のライフサイクル・マネジメントの視点に立つならば、各事業のライフサイクルを理解したうえで、いかに円滑に攻めから守りにシフトしていくか、そして、いかに革新的に守りから攻めに転換するかが要諦となる。
本書では、事業のライフサイクルを時間軸でマネジメントする方法を示し、各企業が「攻めつつ守り、守りつつ攻める」ことができる優良企業になるための方法が明かされる。
成長期・成熟期も終わり、衰退期の真っ只中にいる日本企業は多い。そうした企業に向けては、「次の攻めの準備」についてが解説されている。成長期にある事業・企業に対しては、攻守の切り替えのポイントが示され、「いつ、守りに入ればよいのか」「どのようにして守るのか」が解説されている。
序 章 あなたの会社は守り一辺倒になっていないか 第1章 「攻守のサイクル」マネジメント 第2章 守りの本質 第3章 攻めの本質 第4章 よい攻め 第5章 優良企業の条件 ――攻めつつ守り、守りつつ攻める
井上潤吾
いのうえ・じゅんご
ボストン コンサルティング グループ パートナー&マネージング・ディレクター。
東京大学工学部卒業、および工学系修士。ペンシルベニア大学経営学修士(MBA)。
ハイテク、産業財メーカーなどの業界を中心に、事業構造改革、新規事業立ち上げ、研究開発の活性化、営業改革などのプロジェクトを数多く手がけている。金融、通信業界等のITユーザー企業向けIT活用支援の経験も豊富。
共訳書に『情報スーパーハイウエーとリテールバンキング』(日経BP社)、『クラウゼヴィッツの戦略思考』(ダイヤモンド社)がある。