成長ありきの経営はもう止めよう!
日本企業の成長至上主義に警鐘を鳴らす。
腕時計、ピアノ、鉄などのケースを取り上げ、日本企業がはまった落とし穴を検証。イノベーション、品質重視、多角化、国際化など、一見「正解」と思われる戦略の難しさと恐さも示す。そのうえで、日本企業がとるべき道を探る。
【著者からのメッセージ】
やりたいことが先にあり、それに邁進した結果として成長を遂げるのが、企業の正常な姿です。戦後のトヨタ自動車やソニーは、そのような姿を代表する企業だったと言えるでしょう。現在なら、アップルがその好例と言えます。ところがいまや多くの企業が、やりたいことはそっちのけで、成長目標の実現に邁進しているようです。しかし成長を目標に掲げると、ろくなことになりません。
第1章 本当に成長戦略ですか? ――日本が歩んだ衰退の道 第2章 本当にイノベーションですか? ――腕時計が刻んだ逆転劇 第3章 本当に品質ですか? ――ピアノが奏でた狂想曲 第4章 本当に滲み出しですか? ――鉄が踏んだ多角化の轍 第5章 本当に新興国ですか? ――日本が教えた開国攘夷策 第6章 本当に集団経営ですか? ――こうしたい! 日本企業
三品和広
みしな・かずひろ
1959年愛知県生まれ.82年一橋大学商学部卒業.84年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了,89年ハーバード大学文理大学院企業経済学博士課程修了.89年ハーバード大学ビジネススクール助教授,北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科助教授等を経て,現在,神戸大学大学院経営学研究科教授.