未来に向けて舵をとる方法
深く、味わいのあるリーダーシップ論。
デザイナー/アーティスト/サイエンティスト/大学教授(MITメディアラボ)として活躍する著者が、全米有数の芸術大学学長になって考えたこと、学んだことをシンプルな言葉でまとめます。俺についてこい、型のリーダーではなく、思いがけずリーダーになってしまった普通の人が、チームの力を最大限発揮するために配慮すべき心得とは何か。読む人に勇気を与える一冊です。
(以下、日本語版への序文より)
僕には、「寅さん」がリーダー像の素晴らしい例に見える。確かに彼はおっちょこちょいで不器用だ。でも、彼には常に一つの目標がある。他の人たちがその人なりのベストを尽くすことを助けることだ。彼は人前で何度失敗しようとも恐れず、うまくいくまで突き進むのだ。
渥美清はその役を48回演じた――1969年から1995年の間、繰り返し、日本のみなさんのために。彼は「弱き者」を理解する「役者としてのリーダー」だった。
読者のみなさんには、この本を読み始める前に、この本を書いた人物を理解する手助けとして、寅さんのイメージを頭に描いてもらいたかった。僕はなにより、ありそうもないリーダーだ――名門大学の学長になった・・・・・・豆腐屋の息子だ。そして、過去と現在で学んだことを生かしながら、未来へ向けて舵を取る術を今もずっと学び続けている。