M&Aシナジーを実現するPMI

ウイリス・タワーズワトソン編/要 慎吾著/中村 健太郎著/森田 純夫著/堀之内 俊也著/松尾 梓司著/片桐 一郎著
2016年5月27日 発売
定価 3,300円(税込)
ISBN:9784492533796 / サイズ:サイズ:A5判/ページ数:248

買収後のPMI(買収に伴う事業・組織・機能の統合)のノウハウを体系的に解説した、

初めての実務ガイドブック




M&Aにおいて、事業シナジーを創出し企業としての成長を実現するためには、PMIの的確な実行が必要不可欠である。「PMI」と一言でいっても、買収目的や目指す事業シナジーによってその具体的な内容やプロセスは案件ごとにすべて異なる。しかし、どういった目的であれ、M&Aの成功を左右する「組織・人事・ガバナンス」上の論点は共通している。

本書では、M&Aの本来の目的であるシナジーを創出して、企業価値の向上を実現するために必要となるPMIの取り組みとはどのようなものであるのか、実務面を中心に解説する。



PMI(Post Merger Integration;「買収に伴う事業・組織・機能の統合」)の不在は、M&Aを失敗に導き、企業価値を毀損させる

●M&Aの目的は、買収した企業とのシナジーを高め、1+1=「3」にも「4」にも企業価値をバリュー・アップすることにある。しかし日本企業のM&Aは、それを実現できていないどころか、毀損してしまっているケースさえある。

●M&A におけるPMIとは、本来、買収契約を締結する前に行うデューデリジェンスから始まる、一連のプロセスの後工程に位置するものである。別の見方をすると、買収後の経営統合ビジョンに基づき必要となるPMI のアウトラインがまずあり、デューデリジェンスは、そこから逆算して、どういったポイントにフォーカスして精査・確認を行うかを本来は考えるべきものである。

●PMI と一言でいっても、案件によってその内容やプロセスはすべて異なるが、どういった目的でPMI を実施するにせよ、その成否を分けるポイントは、M&A 後の新事業戦略を支える「仕組み」を新会社に埋め込むことができるかどうかにかかっている。ここでいう「仕組み」とは、事業シナジーを生み出すための企業活動を支える様々な制度・ルール・システムなどのコーポレート・バックボーンである。

「組織・人事・ガバナンス」「財務・会計」「法務・リスク・コンプライアンス」「IT システム」などがそれにあたる。

●成長戦略を実現するためにも、グローバル競争を勝ち抜くためのM&A戦略にはPMIは欠かせない。M&Aの目的に対応してPMIは、ハード面(組織、人事制度)とソフト面(企業・組織文化)で様々な内容となる。本書では、M&Aの本来の目的であるシナジーを創出して、企業価値の向上を実現する、M&Aの出口としてのPMIを実務的に解説する。

 

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概要

日本のM&Aが失敗する要因は、買収後のビジネス統合(PMI)の不在にあった。買収の出口で成果を出す経営戦略を具体的に解説する

目次

はじめに なぜ、今PMIなのか?
第1章 日本企業のPMIの実態と課題
第2章 PMIの全体像
第3章 ハード面(組織、人事諸制度)のPMI
第4章 ソフト面(企業・組織文化)のPMI
第5章 国内企業による事例紹介とケーススタディ
第6章 日本企業がM&AとPMIを成功させるためには何が必要か

 

著者プロフィール

【編】
ウイリス・タワーズワトソン

Willis Towers Watson

ウイリス・タワーズワトソン(NASDAQ:WLTW)は、企業に対するコンサルティング業務、保険のブローカー業務、各種ソリューションを提供する業務における、世界有数のグローバルカンパニーです。企業の持つリスクを成長の糧へと転じさせるべく、各国で支援を行っています。その歴史は1828年にまで遡り、現在は世界120以上の国と地域に39,000人の社員を擁しています。

【著】
要 慎吾

かなめ・しんご

M&A 部門リーダー、ディレクター。
三井銀行(現、三井住友銀行)、ベイン・アンド・カンパニー、日興シティグループ証券(現、SMBC 日興証券)投資銀行本部マネジング・ディレクター等を経て、ウイリス・タワーズワトソンのM&A 部門設立に伴い着任。日本を代表する企業のグローバル戦略の立案、および海外買収案件のアドバイザリー業務など数多くのM&A 案件を手掛ける。特にクロスボーダーのM&A 案件については、海外ターゲット企業のビジネス、財務、人事デューデリジェンス、経営幹部のリテンション交渉、買収後のPMI戦略の立案を含め、M&Aプロセス全体について豊富なマネジメント経験を持つ。慶應義塾大学卒業、スイスIMD(国際経営開発研究所)MBA 修了。

中村 健太郎
なかむら・けんたろう

組織人事部門シニアコンサルタント。
ウイリス・タワーズワトソンに入社以来、日系企業のグローバル・タレント・マネジメント、報酬制度の設計支援や、海外拠点の設立・再編の支援、海外企業買収後のPMI の支援等を手掛けている。M&A の支援に関しては、人事デューデリジェンス、役員報酬・インセンティブ制度の設計・導入支援、リテンション・プランの設計・導入支援、買収後のPMI の実行支援等、多岐にわたるアドバイスの経験を有する。特にカーブアウトにおける組織・人事面のスタンドアローン・イシューへの対応に関して、人事PMO の運営も含めて豊富な経験(国内、および海外)を有する。著書に『「経営者報酬」の実務詳解』(共著、中央経済社)。慶應義塾大学経済学部卒業、米国公認会計士、日本証券アナリスト協会検定会員。

森田 純夫
もりた・すみお

経営者報酬部門リーダー ディレクター。
大手損害保険会社を経て、ウイリス・タワーズワトソン入社。国内外の経営者報酬制度に関し、豊富な実績を有する。近年では、日本企業が買収した海外企業における経営者報酬の運営支援や、グローバル経営者報酬制度の立案、グローバル長期インセンティブ導入などを多く手掛けている。クロスボーダーM&A に関する経験が豊富。経営幹部のリテンション・パッケージの設計や、長期インセンティブの代替報酬の設計なども数多く行っている。デューデリジェンスからPMI に至るM&A の様々なステージにおいて、プロジェクト・リーダーとして幅広い支援を提供している。東京大学文学部行動文化学科卒業(社会学専攻)。

堀之内 俊也
ほりのうち・としや

ベネフィット部門シニアコンサルタント。
三井銀行(現、三井住友銀行)、ウイリス・タワーズワトソン、コーポレイトディレクション、ブレイスアップ勤務を経て、2010 年ウイリス・タワーズワトソンに復帰し、現在に至る。日本企業および外資系企業に対する、トータル・リワード(総合的報奨制度)の視点に基づいた人事処遇・報酬制度の総合改革支援に携わる。加えて、M&A デューデリジェンスやPMI に関するプロジェクトについても豊富な経験を有する。『労政時報』(労務行政)、『企業年金』(企業年金連合会)等、専門誌への寄稿も多数。東京工業大学工学部卒業、一橋大学大学院国際企業戦略研究科修士課程修了(MBA in Finance)。年金数理人、日本アクチュアリー会正会員、日本証券アナリスト協会検定会員。

松尾 梓司
まつお・しんじ

組織人事部門コンサルタント。
日系コンサルティング・ファームや外資系PR エージェンシーなどを経て現職。コミュニケーション&チェンジ・マネジメント領域のコンサルタントとして、企業の様々な変革を、主に従業員コミュニケーションとチェンジ・マネジメントの視点から支援している。企業合併においては、経営ビジョンの浸透や企業文化の構築、また新たな人事施策に関する従業員コミュニケーションなどのコンサルティングに豊富な実績を有し、コミュニケーション戦略の立案にとどまらず、各種説明媒体の企画・制作や説明会のファシリテーションなど、実行フェーズまでを含めたトータルな支援を提供している。京都大学法学部卒業。

片桐 一郎
かたぎり・いちろう

組織人事部門ディレクター。
コマツ、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て入社。戦略・組織・人を一体として捉えて支援するコンサルティングを実施してきた。M&A では20 年にわたり、多くのアウトバウンド/インバウンド案件を支援してきた。グローバル人材開発の支援も行っている。東京大学工学部卒業。スタンフォード大学工学部卒業。