買収後のPMI(買収に伴う事業・組織・機能の統合)のノウハウを体系的に解説した、
初めての実務ガイドブック
M&Aにおいて、事業シナジーを創出し企業としての成長を実現するためには、PMIの的確な実行が必要不可欠である。「PMI」と一言でいっても、買収目的や目指す事業シナジーによってその具体的な内容やプロセスは案件ごとにすべて異なる。しかし、どういった目的であれ、M&Aの成功を左右する「組織・人事・ガバナンス」上の論点は共通している。
本書では、M&Aの本来の目的であるシナジーを創出して、企業価値の向上を実現するために必要となるPMIの取り組みとはどのようなものであるのか、実務面を中心に解説する。
PMI(Post Merger Integration;「買収に伴う事業・組織・機能の統合」)の不在は、M&Aを失敗に導き、企業価値を毀損させる
●M&Aの目的は、買収した企業とのシナジーを高め、1+1=「3」にも「4」にも企業価値をバリュー・アップすることにある。しかし日本企業のM&Aは、それを実現できていないどころか、毀損してしまっているケースさえある。
●M&A におけるPMIとは、本来、買収契約を締結する前に行うデューデリジェンスから始まる、一連のプロセスの後工程に位置するものである。別の見方をすると、買収後の経営統合ビジョンに基づき必要となるPMI のアウトラインがまずあり、デューデリジェンスは、そこから逆算して、どういったポイントにフォーカスして精査・確認を行うかを本来は考えるべきものである。
●PMI と一言でいっても、案件によってその内容やプロセスはすべて異なるが、どういった目的でPMI を実施するにせよ、その成否を分けるポイントは、M&A 後の新事業戦略を支える「仕組み」を新会社に埋め込むことができるかどうかにかかっている。ここでいう「仕組み」とは、事業シナジーを生み出すための企業活動を支える様々な制度・ルール・システムなどのコーポレート・バックボーンである。
「組織・人事・ガバナンス」「財務・会計」「法務・リスク・コンプライアンス」「IT システム」などがそれにあたる。
●成長戦略を実現するためにも、グローバル競争を勝ち抜くためのM&A戦略にはPMIは欠かせない。M&Aの目的に対応してPMIは、ハード面(組織、人事制度)とソフト面(企業・組織文化)で様々な内容となる。本書では、M&Aの本来の目的であるシナジーを創出して、企業価値の向上を実現する、M&Aの出口としてのPMIを実務的に解説する。