エコシステム・ディスラプション

業界なき時代の競争戦略

ロン・アドナー著/中川 功一監訳/蓑輪 美帆訳
2022年8月11日 発売
定価 2,420円(税込)
ISBN:9784492534540 / サイズ:四六/上/384

ボーダレスな世界で勝ち抜くために。DX時代の新しい競争戦略論。
現在、ビジネスの競争原理が変わりつつある。今までは明確に定義された業界が存在し、ライバル企業と同じ目的を持って、コストや品質で顧客をめぐって争っていた。しかし今は、より幅広い価値提案を行うエコシステム(生態系)の構築が重要視されてきている。自動車からモビリティソリューション、金融はフィンテック、薬局はヘルスケアサービスへと変革し、業界の垣根は消失してしまった。そのため、今まで予想もしなかった、かつての競合とはまったく異なる指標や目的を持つ相手が次々に参入し、競争せざるをえなくなっている。こうした世界で生き残り、正しく勝つためには、競合、成長、リーダーシップに対する考え方の変換が必要となる。その分、リーダーにならなくても、顧客への価値作りの要所を押さえるなど、勝つための方法は何通りも存在する。本書では、必要となるコンセプト、ツール、フレームワークについて、スポティファイ(音楽ストリーミング)、ウェイフェア(家具)など、GAFAの激しい攻勢を受けながらも鮮やかにかわした企業の事例なども紹介しながら、成功を収めるための戦略を探っていく。

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概要

スポティファイが巨人アップルを凌いだのはなぜか。業界の垣根が消失する時代の価値創造と競争の新しい視点を解き明かす。

目次

第1章 誤ったゲームでの勝利は、敗北を意味する
第2章 エコシステムで防御する
第3章 エコシステムで攻撃する
第4章 エコシステム・ディスラプションのタイミング
第5章 「エゴ」システムという罠
第6章 重要なのはリーダーシップのマインドセット
第7章 理解されてこその戦略
解説 破壊的イノベーションから、エコシステム・ディスラプションへ(中川功一)

著者プロフィール

ロン・アドナー  【著】
ろん・あどなー

ダートマス大学タックビジネススクール教授。1993年クーパーユニオン大学工学部にて修士号、1998年ペンシルバニア大学ウォートンスクールにてPh.D.を取得。INSEAD(欧州経営大学院)准教授などを経て、2012年より現職。専門は経営戦略。INSEADとタックの両校で計7回のベストティーチャー賞を受賞。ストラテジー・インサイト・グループの創業者兼CEOでもあり、スタートアップからフォーチュン500企業まで、戦略コンサルティングを行っている。主な著書にThe Wide Lens: What Successful Innovators See That Others Miss(邦題『ワイドレンズ』)のほか、Harvard Business Review、Forbes、Financial Timesなどの著名ビジネスメディアや学術誌への寄稿も多数。また、Academy of Management Review、Management Scienceなどの編集委員も務める。

中川 功一  【監訳】
なかがわ こういち

経営学者。1982年生まれ。2004年東京大学経済学部卒業。08年同大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。駒澤大学経営学部講師、大阪大学大学院経済学研究科准教授などを経て独立。現在、株式会社やさしいビジネスラボ代表取締役、オンライン経営スクールAPS学長。専門は経営戦略、イノベーション・マネジメント。「アカデミーの力を社会に」を使命とし、APSを軸に、研修・講演、コンサルティング、書籍や内外のジャーナルへの執筆など、多方面にわたって経営知識の研究・普及に尽力している。YouTubeチャンネル「中川先生のやさしいビジネス研究」では、経営
学の基本講義とともに、最新の時事解説のコンテンツを配信している。主な著書に『技術革新のマネジメント』『戦略硬直化のスパイラル』(ともに有斐閣)、『ど素人でもわかる経営学の本』(翔泳社)、『経営戦略』(共編著、中央経済社)、『考える経営学』(共著、有斐閣)などがある。

蓑輪 美帆  【訳】
みのわ みほ

翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業、イェール大学スクール・オブ・マネジメント修了(MBA)。外資系広告企業、メーカーなどで経営企画、財務に携わる。金融・経済、ビジネス分野で日英・英日翻訳を行う。