品質管理手法「シックス・シグマ」を
「人間関係」に応用したヒューマン・シグマ
■「ギャラップのロングセラー『強みを活かせ!』や『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』の経営組織論への応用」(監訳者あとがきより)とも言える内容である。
■シックス・シグマとは100万回のオペレーションに対して、3.4回しか欠陥が生じない状態(99.99966%の精度)のことをいう。品質管理手法としてのシックス・シグマとは、製品・サービスをこの精度に近づけるように、品質や業務の改善を行なっていくことを指す。ヒューマン・シグマはこのシックス・シグマをもとに名づけられた。シックス・シグマの手法を人間関係に応用し、従業員と顧客の接点=コンタクトの質を向上させる手法である。
■ヒューマン・シグマという人的能力の管理手法は、人間の本質を理解するところから始まった。従業員を理解し、鼓舞し、彼らの能力を伸ばせるように後押しし顧客と情緒的な結びつきを築く企業となる。
人間の感情は思いの外、予測可能な部分が大きい。長らく無視されてきた、この感情がかかわる従業員と顧客の関係が、企業のパフォーマンスの向上と、長期的な成長の鍵を握っている。
■顧客との接点の質が向上されれば、企業の業績も伸びるという思想をベースに執筆されている。著者陣は世論調査や各種調査で名高いギャラップに所属している。
ギャラップの調査能力を駆使して、顧客と従業員の関係の向上が企業業績の向上を導くという事実を検証している。
その検証をもとに、良好な結果を残している企業・部署とそうではない企業・部署を比較し、いかにして企業の業績を伸ばすかを解説している。
序 章 ターミネーター養成学校 第1章 品質管理 第2章 人的機能と重要なシグナル 第3章 感情こそが現実である 第4章 顧客と情緒的な結びつきを築く 第5章 情緒的な結びつき:信頼と誠実さ 第6章 情緒的な結びつき:誇りと情熱 第7章 顧客の脳を味方にせよ、そうすれば心もついてくる 第8章 企業と従業員の結びつき 第9章 従業員との結びつきを築く 第10章 バラつきから生まれる災い 第11章 ヒューマン・シグマ 第12章 ヒューマン・シグマの戦略と戦術:評価・介入・鼓舞 第13章 評価の必要性 第14章 介入に対する需要 第15章 鼓舞の必要性