東京大学・伊藤元重教授 推薦!
本書の目的はケータイ、スマートフォンの事業モデル革命の本質を、整理することにある。
現在、ケータイの世界の新たな動きとして、スマートフォンの急速な普及が進んでいる。ケータイはインターネットとつながり、モバイルインターネットとなったことで革新を獲得し、進化の階段を登り始めた。そしていま、ケータイはパソコンとの機能を取り込み、その結果出てきたのがスマートフォンなのである。このスマートフォンは、ケータイの進化をさらに加速させる可能性を秘めている。
画面が大きくなり、パソコンライクに使えるスマートフォンは、フェイスブックやツイッターなどのSNSとの相性が良く、SNSを全世界に拡大させるひとつのエンジンとなっている。そしてSNSは、チェニジア、エジプト、リビアで起きた市民革命の火付け役となったように、社会革命をも起こしうるような力を持つようになった。
こうした新たな胎動――それも社会を根底から変革するような大きなうねりが起きつつあるなかで、その一翼を担っている携帯電話にはどんなパワーがあるのか。原理原則に立ち戻ってもう一度考察し、携帯電話の持つパワーを探求したいと考えたのである。
その一方で、ケータイ、スマートフォンによる事業モデル革命の本質を整理することで、成熟したといわれる日本経済のなかで、新たな成長機会を求め、日々奮闘されているビジネスパーソンの方々に、何らかのヒントを得ていただけるのではないかという思いもある。 (「はじめに」より)
第1章 実例にみる事業モデル革命の可能性 第2章 モバイルパワー(1)「個客の見える化」 ――ニーズの多様化にスピードと低コストで対応 第3章 モバイルパワー(2)「個客ニーズの顕在化」 ――ハイパーコミュニティが作り出す双方向の世界 第4章モバイルパワー(3)「商品・サービスのマイクロ化」 ――進化した「量り売り」を実現する 第5章モバイルパワー(4)「商品・サービス提供の適時化」 ――情報提供コストの大幅低下と好タイミングでの訴求 第6章 モバイルパワー(5)「商品・サービス提供チャネルのポータブル化」 ――インフラをケータイに収めて広がる事業モデル 第7章モバイルインフラが切り開く新しい世界