ブランド経営をデザインする
ファッションは、閃き、創造性、直感、そして組織であり、戦略であり、マネジメントである――。
ディオール、グッチ、プラダ、アルマーニなど世界的ラグジュアリーファッションブランドやZARA、H&Mなどファストファッションを例に、グローバルに成功するためのマネジメント手法を解き明かす。
・ファッション、ラグジュアリーとは何か?
・インド、中国におけるラグジュアリー消費とは?
・デザイナーズブランド、プレミアムブランド
・ラグジュアリー消費の主要な推進力は?
・伝統への梃子入れ、最良の事例
・「注文生産」ファッションと「在庫生産」ファッション
・ブランド拡張におけるライセンスの役割とは?
本書では、ラグジュアリー・ブランドの位置付けから、発展的な小売流通、イメージ戦略、ブランドの拡張からライセンス販売に至るまで、主に4つの点に焦点を当てながら、実践的にわかりやすく解説する。
①ファッションとラグジュアリーの定義
②国別の販売モデル
③ファッションやラグジュアリー産業におけるにセグメント、ビジネスモデル、顧客セグメント
④ブランドのマネジメント
原書は、欧州のトップ・ビジネススクールを擁するイタリア・ボッコーニ大学大学院における指導テキスト、この分野における定番書である。
■■■本書の主な特徴■■■
全体としては、ラグジュアリー企業のビジネス戦略を主題とした書籍が極めて少ない中、「ファッションとラグジュアリーの事業論理は一つに収斂する」と主張して、その論理と方法論を高い水準で論じる。
各部の特徴は以下のとおり。
第1部:歴史、文化的背景を基にしたファッションおよびラグジュアリーの定義付けと、ファッション&ラグジュアリー企業の北米、ヨーロッパ、アジアにおける変貌を簡潔に記載する。
第2部:欧米として一くくりにされることが多いフランス、イタリア、アメリカ各国における国別モデルと、近年のアジアにおける経済成長国である中国とインドの国民性や文化的背景からファッション&ラグジュアリーのポジショニングを分析し、成功を収めている企業を取り上げ検証する。
第3部:産業セグメント、ビジネスモデル、および消費の駆動力を考察するための消費者の細分化というビジネス論理について述べる。
第4部:ブランドマネジメントの要諦として、ポジショニングとしてのブランディング、ブランドの伝統と物語を語ること、ブランド固有のアイデンティティと製品開発過程、小売りアイデンティティと流通過程、イメージ・アイデンティティとコミュニケーション過程、ブランド拡張とライセンス・マネジメントを詳細に分析・検討する。